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「耄碌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

耄碌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
うにこうした言葉がつぶやかれるのを、葉子はさびしい心持ちで聞かねばならなかった。耄碌《もうろく》したと自分ではいいながら、若い時に亭主《ていしゅ》に死に別れて立....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
た神経は若い蘆の葉のようにふるえ勝ちであった。もうこうなっては、自身番や番太郎の耄碌《もうろく》おやじを頼りにしていることは出来なくなったので、仕事師は勿論、町....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
「橋番のおやじがもう少し気が利《き》いていりゃあ何とかなるのだが……」 「あんな耄碌《もうろく》おやじを頼りにしていて、上《かみ》の御用が勤まるものか」と、半七....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
ともみんな一緒に忘れてしまいます。なにしろもう六十になりますんですもの、そろ／＼耄碌しましても致方がございません。唯そのなかで、今でもはっきり／＼お話し申しまし....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
望したように頷いたが、「とにかく細目を承ろうじゃないか。あるいはその中から、君の耄碌さ加減が飛び出して来んとも限らんからね。ところで、君の検出法は？」 乙骨医....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
を引掛けた寝白粉の処班らな若い女がベチャクチャ喋べくっていた。煤だらけな顔をした耄碌頭巾の好い若い衆が気が抜けたように茫然立っていた。刺子姿の消火夫が忙がしそう....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
うということもねえんだね」 相手が相手だけに六助も少し考えているらしかったが、耄碌頭巾のあいだからしょぼしょぼした眼を仔細らしく皺めながら小声で訊き返した。 ....
「大使館の始末機関」より 著者:海野十三
老師、大丈夫ですかなあ」 醤買石は、心細そうにいう。 「濃度をまちがえるような耄碌はしないつもりじゃが、はて、どこでまちがったかな」 王老師は、しきりに首を....
「転機」より 著者:伊藤野枝
Ｔという爺さんがまた非常に人が好いんだよ。それにもう死ぬ少し前なんかにはすっかり耄碌して意気地がなくなって、僕なんか会ってても厭になっちゃったがね。少し同情する....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
。お前もかぜを引くといけないといって、ふだんから僕を可愛がってくれる祖母が一種の耄碌頭巾のようなものをかぶせてくれたので、僕はその頭巾のあいだから小さい目ばかり....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
も、好い加減におし。お前は私を何だと思っているのだえ。私はまだお前に欺される程、耄碌はしていない心算だよ。早速お前を父親へ返せ――警察の御役人じゃあるまいし、ア....
「西瓜」より 著者:岡本綺堂
。」 由来、武家の辻番所には「生きた親爺の捨て所」と川柳に嘲られるような、半｜耄碌の老人の詰めているのが多いのであるが、ここには「筋骨たくましき血気の若侍のみ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ばらを十回も蹴りつけて、一気に橋を駈けわたろうとした。ところが、このつむじ曲りの耄碌馬は、前に進むどころか、横へそれて、垣根にわきばらをぶつけてしまった。イカバ....
「青蛙神」より 著者:岡本綺堂
すよ。 李中行 なにを云っているのだ。まだそれ程の年でもないのに、おまえは些っと耄碌したようだな。 （李も渋々ながら奥に入る。旅の男は冷然として聴いている。やが....
「雨」より 著者:織田作之助
月末というのに珍らしく初雪がちらちら舞っていた。豹一の成長と共にすっかり老いこみ耄碌していた金助が、お君に五十銭貰い、孫の手をひっぱって千日前の楽天地へ都築文男....