而して[語句情報] »
而して
「而して〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
而しての前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「クララの出家」より 著者:有島武郎
との誇りに賑やか立ったアッシジの辻を、豪奢の市民に立ち交りながら、「平和を求めよ
而して永遠の平和あれ」と叫んで歩く名もない乞食の姿を彼女は何んとなく考え深く眺め....
「『聖書』の権威」より 著者:有島武郎
動は聖書に加担しました。私の熱情はその間を如何う調和すべきかを知りませんでした。
而して悩みました。その頃の聖書は如何に強烈な権威を以て私を感動させましたろう。聖....
「猫と色の嗜好」より 著者:石田孫太郎
る所の子供は赤色を好み、段々と大きくなるに従って、色の浅いものを好むようになる、
而して純白色のものを以て最も高尚なものとするのは、我輩文明人の常である、左れば染....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
葉は今でも折々繰返されてるが、斯ういう軽侮語を口にするものは、今の文学を研究して
而して後鑑賞するに足らざるが故に軽侮するのではなくて、多くは伝来の習俗に俘われて....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
んだ……出来損なったって人間様は人間様だろう、人面白くも無えけちをつけやがって。
而して又|連絡もなく、 お前っちは字を読むだろう。 と云って私の返事には頓着なく....
「諸国の玩具」より 著者:淡島寒月
穴の処に眼鏡を填めたので、容堂公のを模して足らないのを駒形の眼鏡屋が磨りました。
而して軍艦の上に、西郷吉之助と署名して、南洲翁が横額に「万国一覧」と書いたのです....
「狂人日記」より 著者:井上紅梅
全くそう言われても仕方がない。彼は本の講義をした時、あの口からじかに「子を易へて
而して食ふ」と言ったことがある。また一度、偶然ある好からぬ者に対して議論をしたこ....
「佐藤春夫氏の事」より 著者:芥川竜之介
食わんとして蒟蒻を買うが如し。到底満足を得るの機会あるべからず。既に満足を得ず、
而して後その南瓜ならざるを云々するは愚も亦甚し。去って天竺の外に南瓜を求むるに若....
「恒藤恭氏」より 著者:芥川竜之介
の学説よりも、待合の方が難解なりしならん。恒藤はそんな事を知らざるに非ず。知って
而して謹厳なりしが如し。しかもその謹厳なる事は一言一行の末にも及びたりき。例えば....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
られしという。木村氏といい栗本氏といい、固よりこれを他人に示すがごとき人に非ず。
而して先生は二人の外何人にも示さざれば決して他に漏るるはずなきに、往々これを伝写....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
て幕府統一の政をなさんと欲し、薩長は英国に倚りてこれに抗し互に掎角の勢をなせり。
而して露国またその虚に乗ぜんとす。その危機実に一髪と謂わざるべからず。若し幕府に....
「二葉亭四迷」より 著者:内田魯庵
を一串する通弊に自ずから襯染していた自家の文学的態度をも危ぶみかつ飽足らず思うて
而して「文学には必ず遊戯的分子がある、文学ではドウシテモ死身になれない」という。....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
の隠者たる浜田健次郎、その下に古川常一郎、陸実等、いずれも聞ゆる曲者が顔を列べ、
而して表玄関の受附には明治の初年に海外旅行免状を二番目に請取って露国の脳脊髄系を....
「北海道に就いての印象」より 著者:有島武郎
て実物を見るといって、私を二階窓に案内してくれた。やがて太陽は縦に三つになった。
而してその左右にも又二つの光体をかすかながら発見した。それは或る気温の関係で太陽....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
線と見、散兵は点線即ち両戦術は線の戦法であり、今日の戦闘群戦術は面の戦法である。
而してこの戦法もまた近く体の戦法に進展するであろう。 否、今日既に体の戦法に移....