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耐
「耐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
耐の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
《あふ》れて来る。彼はそのすさまじい勢いを恐れながら、自分の肉体の力が万一それに
耐《た》えられなくなる場合を気づかった。そうして、かたく筆を握りながら、何度もこ....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
煩悶を重ねて参りました。どうかあなたの下部《しもべ》、オルガンティノに、勇気と忍
耐とを御授け下さい。――」
その時ふとオルガンティノは、鶏の鳴き声を聞いたよう....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
そうして「沈黒江《こっこうにしずむ》明妃《みんぴ》青塚恨《せいちょうのうらみ》、
耐幽夢《ゆうむにたう》孤雁《こがん》漢宮秋《かんきゅうのあき》」とか何とか、題目....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
に私たち夫妻に無理由な侮辱が加えられるからばかりではございません。そう云う侮辱を
耐え忍ぶ結果、妻のヒステリイが、益《ますます》昂進《こうしん》する傾があるからで....
「或る女」より 著者:有島武郎
まれそうな気がしてならなかった。そうなるにしてもしかしそれまでには古藤は長い間忍
耐して待たなければならないだろう、そう思って葉子は一面小気味よくも思った。
こ....
「片信」より 著者:有島武郎
なことを報ずるよりほかに事件らしい事件を持ち合わさない僕のことだから、兄の方で忍
耐してそれを読むほかに策はあるまい。
僕の言ったことに対してとにかく親切な批評....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
もなく、矯飾もなく、不平もなく、素直に受け取り、軛にかかった輓牛のような柔順な忍
耐と覚悟とをもって、勇ましく迎え入れている、その姿を見ると、君は人間の運命のはか....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
らくは少数の)読者も、絶望して私から離れてしまうかも知れない。私はその時読者の忍
耐の弱さを不満に思うよりも私自身の体験の不十分さを悲しむ外はない。私は言葉の堕落....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
ので、この若い二人は、自分たちはたしかに人生に従順なる奴隷であり、沈黙と虚無の忍
耐強い召使いであると思うようになった。常に和合するかと思えば、また夫婦喧嘩をして....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
|緒に墓に収めてあるかしら……。』そう思うと私はどうしてもそれが気懸りで気懸りで
耐らなくなりました。とうとう私はある日指導役のお爺様に一|伍一什を物語り、『若し....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
前には常に準備が要る。これは不変の鉄則である。資格が備わりてからの進歩である。忍
耐が大切な所以である。 問『心の迷、実証の困難、僻見の跋扈等をいかにすべきか? ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
もっと賢明な男だったらあきらめたであろう。ところが、彼は生まれつき至って柔軟で忍
耐づよかった。彼は形も心もくまやなぎのようだった。屈するかと見えても強靭であり、....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
物として帰った私をみる島民の目は冷たかった。また私も離れ島でじっとしていることに
耐えられなくなり、滞在わずか数ヵ月で東京に舞いもどった。翌年徴兵検査でまた三宅島....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
おられた。賀屋氏が、まず日本財政につき説明された。それは約束と違うと思ったが私も
耐えて終るまで待っており、私の国防上の見地を軍機上許す限り私としては赤誠を以て説....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
ことを恐れたものである。しかし今日の大川の上に大小の浪を残すものは一々数えるのに
耐えないであろう。 僕は船端に立ったまま、鼠色に輝いた川の上を見渡し、確か広重....