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耐乏
「耐乏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
耐乏の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「予報省告示」より 著者:海野十三
年 第四氷河期は終熄を告げた。 地球の上に再び春が訪れた。だが、深刻なる地底
耐乏生活百年を経て、地上に匍い出した人達は、氷河期以前の約百分の一に過ぎない。し....
「新しい文学の誕生」より 著者:宮本百合子
てゆく。こういうことは、わたしたちの常識にとっては異状に見える。堅実に、堅実に、
耐乏して生産復興と云われ、勤労者はその気で生きている傍で踊子たちが宝くじのぐるぐ....
「今度の選挙と婦人」より 著者:宮本百合子
が婦人雑誌や地方講演に出歩いて、どうしてもこの戦いを勝たすために、挙国一致して「
耐乏生活」をやりとげてくださいと説いてまわったと同じような「
耐乏生活」の泣きおと....
「今日の日本の文化問題」より 著者:宮本百合子
た。クリスチャン首相が第一声としてインフレーションに苦しむ勤労大衆に要求したのは
耐乏生活であった。つづいて六月十一日に八項目から成る「経済緊急対策」を発表、同十....
「続堕落論」より 著者:坂口安吾
ツゴツ節くれた手だとかツギハギの着物だとか、父から子へ子から孫へ伝えられる忍苦と
耐乏の魂の象徴を綴り合せ映せという、なぜなら日本文化は農村文化でなければならず、....
「現代の詐術」より 著者:坂口安吾
ないのかな、然しサギの性格で、尚その上に、自らの罪を自覚することを知らず、国民に
耐乏をとき、道義のタイハイを説教することも忘れない。 役所のやることに不服があ....
「帝銀事件を論ず」より 著者:坂口安吾
われわれは、人々に窮乏に堪えよ、などとは説きはせぬ。もしも私が、読者にむかって、
耐乏生活の小説などを書き、ヤミの悪徳を説いたなら、文士としては愧死すべきことであ....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
ーでも、労働者に鉄筋コンクリートの住宅を、自動車を、と約束したが、日本の為政家は
耐乏、勤倹、質実剛健、を説教することをもって国民への任務と考えていたようである。....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
れば気温の差の著るしい最初の冬をいきなり越すことが危ぶまれて、それを苦労にして、
耐乏生活を続けながら、どうやら今日まで故障もなく暮らして来たのである。珍らしく風....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
悪いこと、ブルジョア的な誤った考えだというタテマエであった。 戦争中なら国民に
耐乏生活をもとめることも仕方がないが、平和な時代にも
耐乏生活を正しいものと考え、....
「デンマークのビール」より 著者:北大路魯山人
のうち最上の味でした。 五月四日午前一時ロンドン着。三日間滞在。 イギリスの
耐乏生活は日本のそれとは比較になりません。豊かな、羨望したいくらいのものです。な....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
なかった。一ぱいのいもがゆに満腹して別にそれ以上欲しくなかったので、これは久しい
耐乏生活に胃袋が訓練された結果だと自ら信じた。だから氏子たちが、どうも近ごろは腹....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
も田舎好みときめ、大奥、表とも、質素をむねとし、諸民一般へも、同様な素朴と健康な
耐乏を求めたので、その評判も、おもしろくない。 北町奉行中山出雲守の報告によれ....