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耕し
「耕し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
耕しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
叢《ひとむら》の雲が湧いて、それを目がけて日が沈んで行った。
仁右衛門は自分の
耕した畑の広さを一わたり満足そうに見やって小屋に帰った。手ばしこく鍬を洗い、馬糧....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
狸老爺 晋の時、呉興の農夫が二人の息子を持っていた。その息子兄弟が田を
耕していると、突然に父があらわれて来て、子細も無しに兄弟を叱り散らすばかりか、果....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
置いて水をふくんで吹きかけると、木人は木馬を牽き、鋤鍬をもって牀の前の狭い地面を
耕し始めた。 三娘子はさらにまた、ひと袋の蕎麦の種子を取り出して木人にあたえる....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
先祖は菊池の家来であったが、菊池がほろびてからここに隠れて、刀を差しながら田畑を
耕していたのだそうだが、理財の道にも長けていた人物とみえて、だんだんに土地を開拓....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
まだ朱を引いていなかった。 雷を罵る 呉興の章苟という男が五月の頃に田を
耕しに出た。かれは真菰に餅をつつんで来て、毎夕の食い物にしていたが、それがしばし....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
亭にかくれ、明朝になってから徴されても出でず、あるいは諸生に教授し、あるいは自ら
耕して世を送りました。元来著述を好む人で、田畑へ耕作に出るときにも必ず筆や硯をた....
「鬼仏洞事件」より 著者:海野十三
そこには誰も立っていなかった。いや、厳密にいえば、青鬼赤鬼が、衣をからげて、田を
耕している群像が横向きになって立っていたばかりであった。 だが、どこからかその....
「転機」より 著者:伊藤野枝
った。わずかに小高くなった堤防のまわりの空地、自分達の小屋のまわりなどを畑にして
耕したり、川魚をとって近くの町に売りに出たりしてようやくに暮らしているのであった....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
し、いかなるものやらん合点ゆかず、恐しかりける事なり。」である。 が、ここを筆
耕した、上品な、またおっとりと、ものやさしい、ご新造、娘には、恐しかりける事より....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
日頃から九月十五日まで夏で、その他は冬です。で、もはや陽暦の三月、四月頃から畑を
耕してぼつぼつ麦蒔にかかる。そうするとその修験者は一番そのチベットでの高い山の上....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
住民が移住してもよいような設計も出来ております。どうですか、一つ今日は空中の畑で
耕しなさいませんか? 煙はちっともありませんよ。煙より二千尺くらい高くなっていま....
「彼等流浪す」より 著者:小川未明
どこの村落にせよ、まだ、あまり都会的害毒に侵されざるかぎり、また、彼等が土を
耕している人間であるかぎり、自然発生的に、その村に結ばれた習慣があり、掟がある。....
「単純化は唯一の武器だ」より 著者:小川未明
活があったような気さえされるのである。 もし、人々がすべてかくのごとく、自から
耕し、自から織り、それによって生活すべく信条づけられていたなら、そして、虚栄から....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
伊作、多助、太郎右衛門という三人の百姓がありました。三人の百姓は少しばかりの田を
耕しながら、その合間に炭を焼いて三里ばかり離れた城下に売りに行くのを仕事にしてお....
「四つの都」より 著者:織田作之助
に耽っている。その音がかすかに裏の休閑地へ聞えている。 その裏の休閑地を、鶴三が
耕している。 その横で、夜店出しも一緒に
耕している。 鶴三、
耕し終って、夜店出し....