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耳にする
「耳にする〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
耳にするの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
々には、こう思って腹を立てたことも、稀《まれ》ではない。今日も彼は種彦という名を
耳にすると、苦い顔をいよいよ苦くせずにはいられなかった。が、市兵衛には、少しもそ....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
列室で、硝子戸棚の中にある当時の版画に囲まれながら、こう云う子爵の言《ことば》を
耳にするのは、元より当然すぎるほど、ふさわしく思われる事であった。が、一方ではま....
「古千屋」より 著者:芥川竜之介
話はもちろん井伊の陣屋にも伝わって来ずにはいなかった。古千屋《こちや》はこの話を
耳にすると、「本望《ほんもう》、本望」と声をあげ、しばらく微笑を浮かべていた。そ....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
藤左衛門と忠左衛門とは、顔を見合せて、笑った。復讐の挙が江戸の人心に与えた影響を
耳にするのは、どんな些事《さじ》にしても、快いに相違ない。ただ一人|内蔵助《くら....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
た。たちまち一朶紅の雲あり、夢のごとく眼を遮る。合歓の花ぞ、と心着いて、流の音を
耳にする時、車はがらりと石橋に乗懸って、黒の大構の門に楫が下りた。 「ここかい。....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
フィ家の人々は父から下女の末に至るまで、いい笑い草にした。クララはそういう雑言を
耳にする度に、自分でそんな事を口走ったように顔を赤らめた。 クララが十六歳の夏....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
であるから、こういうものに力を入れるのは全然無駄骨折りであるというような説を時々
耳にすることがあるが、そういう人は、ものの進化発達ということに盲目な人である。今....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
ているのは穏当を欠く。予言の如きは世界を迷わすものである」と批難する人が多い由を
耳にする。人智がいかに進んでも、脳細胞の数と質に制約されて一定の限度があり、科学....
「海底都市」より 著者:海野十三
いかと思った。それはかかる大工事が行われているのにも拘《かかわ》らず、よく工場で
耳にするあのやかましく金属のぶつかる音が、すこしもしないのであったから……。 ....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
のことは、放送電波にのって全世界へひびきわたった。そして世界中の人間は、はじめて
耳にする怪魔ミミ族の来襲に色を失う者が多かった。 「もうだめだ。ミミ族というやつ....
「くろがね天狗」より 著者:海野十三
を改めなかった。さてこそ虎松は、捜索上の不運を慨くよりも前に帯刀の辛辣なる言葉を
耳にするのを厭がっていたのであった。―― 「虎松。――」 と帯刀は言葉を改めて....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
ろうね。」 物語の銀六は、蛇責の釜に入りたる身の経験ありたれば、一たびその事を
耳にするより、蒼くなりて、何とて生命の続くべきと、老の目に涙|泛べしなり。されど....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
またいつかの時のような事があっては悪い。」 と調子はおっとり聞こえたが、これを
耳にすると斉しく、立二は焼火箸を嚥んだように突立った。 ト、佳い薫が、すっと横....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
びになる。形こそ小さいが、普請はなかなか手が込んで居るぞ……。』 そんな風評を
耳にする私としては、これまでの修行場の引越しとは異って、何となく気がかり……幾分....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
満州建国史上に特筆せらるべきものである。しかるに満州軍に対する不信は今日なお時に
耳にするところである。たしかに満州軍は今日も背反者をすら出す事がある。しかし深く....