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耳に入る
「耳に入る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
耳に入るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「蠅男」より 著者:海野十三
直ぐに糸子の邸に隠れて、蠅男を迎える準備にかかった。宝塚ホテルの電話は屹度蠅男の
耳に入るに違いないことは、それ迄の例で分って居たから、それを知れば蠅男はその夜の....
「五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
な入口から宿屋についた。座敷に通されていきなり炬燵にもぐりこんだ。鉄瓶の音のみが
耳に入るただ一つの音である。この静けさはただ雪の世界においてのみ味い得るものだ。....
「二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
わる。依って、わが軍は、全力をあげて守備を固くし、敵を撃退すべし」 通信兵は、
耳に入る本営からの命令を復唱した。そして、一方の手をつかって、巧みにそれを録音し....
「怪塔王」より 著者:海野十三
ふーむ、そうかね」 ほんの僅かの話声でありましたが、それが人間ぎらいの怪塔王の
耳に入ると、彼はがばと寝台から跳ねおきました。 「ああーっ、よく眠った」 と、....
「人造人間エフ氏」より 著者:海野十三
あばれるのであった。“人造人間がわしの背中に噛みついた?”――という言葉が正太の
耳に入ると、少年はようやく大辻のひとりで騒ぎたてているわけがわかったような気がし....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
あなたは……」 「しずかにしていなきゃいけないというのに。お前さんの言葉が誰かの
耳に入ると、そのときはもうどうにも助りっこないぜ」 「あっ! そういう声は――あ....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
どうも国民たる義務が欠けますから。」 と誠心籠めたる強き声音も、いかでか叔母の
耳に入るべき。ひたすら頭を打掉りて、 「何が欠けようとも構わないよ。何が何でも可....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
、さっき女が通したのと同じ部屋へ、おやおやおや。また南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏と
耳に入ると、今度は小宮山も釣込まれて、思わず南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。 その....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
るのはこっちが悪い、意気地なしのしみったれじゃアあるけれども。」 お雪の泣声が
耳に入ると、若山は、口に蓋をされたようになって黙った。 二十二 「....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
二十八 「寝てから多時経つ。これは昼間からの気疲れに、自分の魘される声が、自然と
耳に入るのじゃないか。 そうも思ったが、しかしやっぱり聞える。聞えるからには、....
「迷信解」より 著者:井上円了
りて、そのありさまなんとなくものすごきように感ぜらるるものなれば、自然に目に触れ
耳に入るものが奇怪らしく思わるに相違ない。これに伴っていろいろの想像が心に起こり....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
ばならなくなるから、苦しくもなり固くもなった。同時に自分を案外安く扱う世間の声が
耳に入ると不愉快で堪らなくなって愚痴を覆すようになった。緑雨の愚痴は壱岐殿坂時代....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
に薩哈連から浦塩へ渡航した一人の友人からも度々手紙が来て、浦塩方面の消息が頻りに
耳に入るので、機会を待構えていた実業上の野心は忽ちムクムクと頭を擡上げて食指俄に....
「むかでの跫音」より 著者:大倉燁子
ば、是非|承っておき度いと存じます」 「ですが―――、新生寺さんはその秘密が人の
耳に入る事を非常に恐れていたと思うんですから、どうぞ他にお漏しにならないようにし....
「蛇性の執念」より 著者:大倉燁子
たが、 『私、先生にどうしても聞いて頂きたいことがございますの、でもそれは他人の
耳に入ると、ちょっと困ることなんですし、どうぞ、どなたにも仰しゃらないで下さいま....