耳をそばだてる[語句情報] » 耳をそばだてる

「耳をそばだてる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

耳をそばだてるの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
アッシャー家の崩壊」より 著者:佐々木直次郎
、枕の上に身を起し、部屋の真っ暗闇《くらやみ》のなかを熱心にじっと見つめながら、耳をそばだてると――なぜそうしたのか、本能の力がそうさせたというよりほかに理由は....
隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
く聞こえてきた。省作は頭の後ろを桶の縁へつけ目をつぶって温まりながら、座敷の話に耳をそばだてる。やっぱりそのごやごやした話し声の中からおとよさんの声を聞き出そう....
出家とその弟子」より 著者:倉田百三
しい恋に酔おうとも、私は哀れむべき人々であると断言いたします。 僧三 若い人々は耳をそばだてるでしょうね。 僧二 私からなんでも奪ってください――私は言おうと思....
工場細胞」より 著者:小林多喜二
コツ、コツ……。 冴えていた彼の耳が、何処から来るとも知れないその音を捉えた。耳をそばだてると、その時それが途絶えた。彼は息をひそめた。耳がジーンとなっていた....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
方さまの御息女が、そんな目にお逢いなされたと申すのでござりますか?」 お初は、耳をそばだてる。 「お屋敷の名は申さぬが、その御息女、やんごとなき方にお仕え申し....
映画芸術」より 著者:寺田寅彦
が容疑犯罪者と話しているおりから隣室から土人の女の歌が聞こえて来るのに気がついて耳をそばだてる。歌がやんで後にその女が現われるとすれば、そこに特殊なモンタージュ....
俊寛」より 著者:倉田百三
しの恨みだけが生きているのだ。わしは恨みそのものだ。わしは生きながらの怨霊だ。(耳をそばだてる)あゝ風の音か。わしの子どもが泣いているような気がしたのだが。 有....
バークレーより」より 著者:沖野岩三郎
い籐椅子に腰をおろした婆あさんがいる。 婆あさんは、こちらをむいて何だかいう。耳をそばだてると 『オーキン、ウオーキン、ウオークイン。』と聞こえる。 呼びか....
」より 著者:カフカフランツ
きにも、おおっぴらにはいわず、お客の耳にささやくだけで、隣りのテーブルの人たちが耳をそばだてるほどにかがみこむ。彼女のいうことはおそらくつまらぬことではあろうが....