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「耳学〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

耳学の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
》でげすが、実は何うもはやお恥かしい訳なんで、みんな御贔屓の旦那方から教えて頂く耳学問、附焼刄でげすから時々|化《ばけ》の皮が剥《は》げてな、とんだ面目玉を踏み....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
えッ?」 「といったら腹もたつだろうが、町方を預かっている者は、一に目学問、二に耳学問、三に度胸、四に腕っ節というくれえのもんだ。娘手踊りなんぞはいつだっても見....
私の母」より 著者:堺利彦
母は平仮名《ひらがな》以外、ほとんど文字というものを書いたことがなかった。しかし耳学問はかなりに出来ていた。里方の志津野家が少し学問系統の家であったのと、三十幾....
食魔」より 著者:岡本かの子
話や逸話を、諸方の料理人に、例の高飛車な教え方をする間に、聞出して、いくつとなく耳学問に貯える。何かという場合にはその知識に加担を頼んで工夫し出した。彼は独創よ....
相馬の仇討」より 著者:直木三十五
まに寄席へ入った。近頃の寄席だと少し位の徒然では入る気もしなかろうが、昔の寄席は耳学問、早学び、徒然と勉強の二道かけて流行ったものだ。聖代娯楽が民衆と結付いて、....
伸子」より 著者:宮本百合子
いい計画だ。君の体にだって有益ですよ、是非いらっしゃい。温泉はいい」 父一流の耳学問の広さで、温泉による天然療法の価値を論じた。 伸子は、思いがけなさや、佃....
モスクワ印象記」より 著者:宮本百合子
リアから一つの投書がモスクワへ届いた。「私の村にはまだ一つも学校が無い。昔の通り耳学問やわずかな独習で我慢しなければならない。一日も早くこの状態から救われたいも....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
師はこう言いましたけれども、その古戦場の来歴を説明するまでには至りません。いかに耳学問の早い物識りのお喋り坊主でも、行く先、行く先の名所古蹟を、いちいち明細に説....
ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
大事な話を台なしにされることがよくありました。けれども彼はその執拗な質問で自分の耳学問を進めていったのです。そして彼はその聞き噛った理屈を自分の過去の生活にあて....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
どな」 「感心して聞いていらっしゃるわね。あなたより、わたしの方が学者なんです、耳学問が肥えていますから――ところで、その平家の一族は、源氏に追いつめられて、も....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
が出来た。今日鳴雪が時々昔の江戸の粋人の事などをいうも、つまりその頃読んだ書物の耳学問で、多くは聞いた風に過ぎないのである。今一つ交野で読んだものに一九の『膝栗....
西鶴と科学」より 著者:寺田寅彦
接の読書によるものと思われないのが多い。彼の大多数の知識は主として耳から這入った耳学問と、そうして、彼自身の眼からはいった観察のノートに拠るものと思われる。 ....
町内の二天才」より 著者:坂口安吾
球というものを全然自分ではしたことがない人だから、こういう人に限って、人の講釈の耳学問や、書物雑誌などに目をさらして、一生ケンメイに理窟で野球を覚えこむ。選手が....
弦斎の鮎」より 著者:北大路魯山人
味にして、とやかく述べているものもある。かような書物を体験談として真に受け、その耳学問に傾聴するひとがあるかと思えば、また、いつかのそのインチキを受け売りするひともある世の中だ。....
野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
象を、彼等に残したことは想像に余りがある。仮に時鳥の小鍋焼きの話などが、この日の耳学問の記念ではなかったとしても、その感化がなければボットサケタという啼き声は出....