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「耳寄り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

耳寄りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:島木健作
ことであった。 ここの世界で発行されている新聞が時々配られる。それにはいろいろ耳寄りなことが書いてある。所内には新しくラジオが据えつけられ、収容者に聞かせるこ....
世相」より 著者:織田作之助
かし行ってみるもんでがすな、つまりその、金巾は駄目でがしたが、別口《べつくち》の耳寄りな話ががしてな、光が一箱十円であるちゅうんでがすよ。もっとも千箱単位でがす....
幸運の黒子」より 著者:海野十三
ずに、今度は幸運の黒子のある若い女でも探し当てて再婚してはどうかね」 たいへん耳寄りな話だった。 自分の顔に幸運の黒子を植えつけるわけにはいかないが、鮮やか....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
が、同じ年頃の古山お酉と云う中働きが矢張り時計の捲き方を知って居た相です」お浦は耳寄りの事を聞き得たりと云う様子に熱心になり「その古山お酉とは美しい女で有ったの....
猿飛佐助」より 著者:織田作之助
「実は首のない男を探しもとめての旅でござる」 と、言う。 首のない男、これは耳寄りなと佐助が膝を乗り出すと、無敵は、 「それがしの話を聴いて、けっしてお嗤い....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
ニヤ/\しながら云った。 「僕の方は三年前の仮埋葬死体の照会だ」 「え、三年前」耳寄りな話だと石子刑事はその巡査の方を向いて聞いた。 「どう云うんですか」 「何....
光は影を」より 著者:岸田国士
いた。ところが、遠矢幸造に前借りを値切られた代りに、平山いくが、その埋め合せに、耳寄りな話を持ち出した。というのは、彼女のもとの朋輩で、やはり、同じ境遇にいる女....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
あ。なんと思って選りに選って、船大工ばかりを攫うのだろう」 二人の職人の耳寄りな話 「はてな」 と平八は胸でいった。「おかしな話だ。なんだろう?」 ....
ふるさとに寄する讃歌」より 著者:坂口安吾
朝、姉の起きぬうちに、床をぬけて海へ行った。 港に六千噸の貨物船がはいった。耳寄りなニュースに、港の隆盛を町の人々が噂した。私は裏町に、油くさい庖厨の香を嗅....
おせん」より 著者:邦枝完二
た。 「はッはッは、若旦那、まだそんなことを、いっといでなさるんでござんすかい。耳寄りの話を聞いてめえりやした。いい智恵をお貸し申しやすから、小僧さんのしくじり....
褐色の求道」より 著者:岡本かの子
きました。膝を組んで全く死の状態になって暮しているそうです。私に取って此のくらい耳寄りな話はありません。それで其処へ行く支度にかかりました。 ところが驚きまし....
」より 著者:犬田卯
肥料でも来たかな」と浩平も起ち上った。 だが、おさよの持って来た報告は、そんな耳寄りのことではなかった。 「おっ母、ヨチ子、腹痛えって泣いていっと」とおさよは....
火と氷のシャスタ山」より 著者:小島烏水
く「ラッセン火山大爆裂、シャスタ氷河大融解」と、大の字|尽くしで呼んでいるので、耳寄りに思って買って見ると、いかにもシャスタ山の、氷河融解、大洪水来と、拳大の活....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
し彼女が戦争を続けてくれるなら、巨額の戦費を提供してもいいと申し出ている。これは耳寄りの話である。そして彼女は、どうやら、ぐるりとまわった最後に、スペイン征伐論....
押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
で、来春から田圃をどうするかと歎き暮した。 春野も近づいて、源治はヒヨツコリと耳寄りな話を聞きこんだ。一里ばかり離れた部落の倉治という家で、十六になる幸助とい....