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「耳打ち〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

耳打ちの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
ございますからぜひお会いになってくださいましな。一生のお願いですから、ね」 と耳打ちするようにささやいたが古藤はなんとも答えず、雨の降り出したのに傘も借りずに....
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
談の上で、それとなくさぐりを入れるに相違ないと鑑定した。彼女は直ぐにそれを花魁に耳打ちすると、八橋はしばらく考えていた。 「あとでその御家来さんに逢わせておくん....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
けのことを話して、自分の住所も姓名も名乗らずに別れて行った。おきぬは小僧の宇吉に耳打ちして、娘のあとを見えがくれに尾けさせた。 巾着切りの災難を救ってくれた礼....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
あ、ちっと邪魔をするぜ」 若い岡っ引が草履をぬいで内へあがると、文字春は小女に耳打ちをして、近所の仕出し屋へ走らせた。 「ところで、師匠。早速だが、少しおめえ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
く早く調べあげてくれと催促した。半七は承知して帰って、子分の多吉をよんで何事かを耳打ちすると、多吉は心得てすぐに出て行った。 それから三日目である。花どきの癖....
電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
の部屋を捜索して呉れ給え。狭い梯子で昇れるようになっている所だ」 部下の一人に耳打ちした赤羽主任は、次にも一人の部下に、容疑者として由蔵の逮捕|方並に非常線を....
省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
ることができなかった。 警部は数名の刑事を手許によんで、一人一人に秘密の命令を耳打ちした。駅員には、上り電車がプラットホームに到着しても、車内に異状を認めない....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
た闇の中に紛れこんでしまった。――検事はこんどは大江山課長を引きよせると、何かを耳打ちした。 「よろしい。命令しましょう」 課長はそういって、卓子の陰から匍い....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
順番になった。僕はコロメルを呼んで、君の後でちょっと一とこと喋舌りたいんだが、と耳打ちした。コロメルはそれを司会者のたぶん共産党の何とかいう男に通じた。司会者は....
経帷子の秘密」より 著者:岡本綺堂
ので、お峰は黙って聞いていた。しかし何だか気がかりでもあるので、婿の平蔵にそっと耳打ちすると、平蔵も不安らしくうなずいた。 「実は私にも同じことを言いました。医....
蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
、わたくしは受合うように言いました。 「それじゃ会津屋へ行って、叔父さんにそっと耳打ちをして来ようかねえ。」 母は思いきって出て行きました。そのうちに日も暮れ....
キド効果」より 著者:海野十三
とともに飛ぶように後へ走った。 過失? 故意? 二人の武装車掌は、ツと寄って耳打ちをすると強く肯き合った。そして両方に別れると何喰わぬ顔をして、貸切車室の両....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
、いずれ、杯のやりとりのうちに、その職人の、気心が分ったんでしょう。わざと裸体に耳打ちすると、裸体に外套を引被って、……ちっとはおまけでしょうけれどもね、雪|一....
鉄の処女」より 著者:大倉燁子
夫人の言葉に狒々の男はハッとしたらしく、二人の方を凝と見た。 夫人は団長に耳打ちすると、つかつかとその男の傍へ寄って、何事か小声で囁いた。男はちょっと狼狽....
恐怖の幻兵団員」より 著者:大倉燁子
うしてこんなによく知っているのだろう、と不思議に思っていると、伝令が来て、中尉に耳打ちしました。 中尉は直ぐ席を起って、一雄について来るように命じ、急にそこか....