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耳目
「耳目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
耳目の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
わない繊細な線が描かれ始めた。 ちょうど人の肖像をかこうとする画家が、その人の
耳目鼻口をそれぞれ綿密に観察するように、君は山の一つの皺一つの襞にも君だけが理解....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
紀元前六四〇―五五〇年の人、ミレトスのタレースがあるとき日食を予言して世人の
耳目を驚かしたという話が伝えられている。疑いもなく彼はこの日月食を算定するバビロ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
萍雑志」のうちに、こんな話がある。 「有馬に湯あみせし時、日くれて湯桁のうちに、
耳目鼻のなき痩法師の、ひとりほと/\と入りたるを見て、余は大いに驚き、物かげより....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
はり室の中央で死んでいたのだ……。しかし、この光栄ある一族のために……儂は世間の
耳目を怖れて、その現場から取り除いたものがあった……」
「何をです?」
「それが....
「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
自動車をもう一度|仔細に観察した。エンジン床の低いオープン自動車を操縦するのは、
耳目の整ったわりに若く見える三十前の女だった。蝋細工のように透きとおった白い顔、....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
波浪や艦尾に沸くおびただしい水沫、それから艦内をゆるがす振動音などが乗組員たちの
耳目をうばっているにすぎないが、昼間だったら、まさに言語に絶する壮観であったに違....
「最小人間の怪」より 著者:海野十三
妻君にも紹介された。やはり灰色の丸い顔をしていて、髪を背中へ長く垂らし、なかなか
耳目もととのっていた。そして私に御馳走をするのだといって、名香のようなものを焚い....
「迷信解」より 著者:井上円了
今少しく述べておきたいと思う。偽怪には人の談話の癖として、虚言、大言を吐きて人の
耳目を引かんとする風ありて、ために針よりも小なることが、相伝えて棒のごとく大きく....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
く知らない。ただこの一夜を語り徹かした時の二葉亭の緊張した相貌や言語だけが今だに
耳目の底に残ってる。 二葉亭には道楽というものがなかった。が、もし強て求めたな....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
山破裂という怖ろしい出来事があって、五百人ほどの惨死者を出したという報道が世人の
耳目を衝動した。それを当て込んで、鳥越の中村座では天明年間の浅間山噴火を脚色した....
「温泉雑記」より 著者:岡本綺堂
萍雑志』のうちに、こんな話がある。 「有馬に湯あみせし時、日くれて湯桁のうちに、
耳目鼻のなき痩法師の、ひとりほと/\と入りたるを見て、余は大いに驚き、物かげより....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
時も怠らなかった蘇峰はこの間に二葉亭のツルゲーネフの飜訳を紙面に紹介して読書界の
耳目を聳動した。『浮雲』は初め春廼舎の作として迎えられ、二葉亭の名が漸く知られて....
「西航日録」より 著者:井上円了
シアに入りてその風俗を一見すれば、たちまち東洋に帰りたるがごとき思いをなす。その
耳目に触るるもの、一半は西洋的にして、一半は東洋的なるを見る。例えば人民の体貌、....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
ち本書なり。 余は元来無器用にして、写真術を知らず、スケッチはできず、余儀なく
耳目に触れたる奇異の現象は、言文一致的三十一文字、または二十八言等にて写しおきた....
「街を行くまゝに感ず」より 著者:小川未明
は、都会の新聞によって報道せられないことはなかろうと思います。 新聞は、社会の
耳目を以て任じ、また、社会の人々は、そうした人達を幾分なりと救うことも善事と心得....