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耳障り
「耳障り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
耳障りの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
貴女は化けるのがお上手です」と叫んだ、褒め様も有ろうのに化けるのがお上手とは余り
耳障りの言葉ではないか、満場の人は異様に聞き耳を立てた様だ、松谷嬢は気にも留めず....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
とのことだ。小屋番はおとなしい男であったが、若い案内二人と夜遅くまで話をしていて
耳障りであった。(しかし可哀想にもこの冬東京からきたパーティのお供をして立山へ登....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
。梁川は永遠の真理を趣味滴る如き文章に述べた」などの語があった。梁川、梁川がやゝ
耳障りであった。
彼は棺の後に跟いて雑司ヶ谷の墓地に往った。葬式が終ると、何時....
「幸福の建設」より 著者:宮本百合子
まされていないならあんな政党の立候補者の情勢はどうでしょうか。あんなラジオ放送は
耳障りで聴いていられない。聴いている人があるから、私共のなかに遅れたものがあるか....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
揺って行こうとする、家主に、縋るがごとく手を指して、 「さて……や、これはまたお
耳障り。いや就きまして……令嬢に折入ってお願いの儀が有りまして、幾重にも御遠慮は....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ャと燈籠の故事来歴を囀《さえず》っていたキザな声が止んでしまったことも、かえって
耳障りでした。 さいぜんの悠長さでは、この燈籠の台石の分析から、石工の詮議《せ....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
に象徴すると看ていい。第二句に、「立ちぬ」、結句に「立てるらし」と云っても、別に
耳障りしないのみならず、一首に三つも固有名詞を入れている点なども、大胆なわざだが....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
たレベッカやモオニングを着たピノチヨは一人もいない。会話の調子もささやくようで、
耳障りなデクシォンや高笑いはどこからもひびかない。みなしめやかにお別れをいったり....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
時分の小圓太には話の合間に「エー、エー」という言葉癖があったのだが、それがひどく
耳障りだとてある日圓生はいくつかの碁石を片手いっぱいに掴んで座を構え、 「サ、始....
「米国の松王劇」より 著者:岡本綺堂
しこの人も台詞をひどく伸ばして、しかも抑揚の少い一本調子の英語で押通しているのが
耳障りでした。例の「奥にはぱったり首打つ音」は、なんにも音を聞かせないで、単に松....
「深川の散歩」より 著者:永井荷風
芝居小屋だ。それに土間で小児の泣く声と、立ち歩くのを叱る出方の尖《とが》り声とが
耳障りになる。中幕の河庄では、芝三松の小春、雷蔵の治兵衛、高麗三郎の孫右衛門、栄....
「教育の目的」より 著者:新渡戸稲造
。道楽のために教育をする、道楽のために学問をすることがある。これはちょっと聞くと
耳障りだ。けれども能くこれを味《あじわ》ってみると、また頗る面白い、高尚な趣味が....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
、さっきの相手だった公卿主従への面当てもあるような調子だった。 さすが、これは
耳障りであったらしい。鷹野姿の公卿は、せっかくの読書を止め、それをふところに仕舞....