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耳鳴り
「耳鳴り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
耳鳴りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「おさん」より 著者:太宰治
真赤になってだめになりますが、私は一向になんとも無く、ただすこし、どういうわけか
耳鳴りみたいなものを感ずるだけでした。 三畳間で、子供たちは、ごはん、夫は、は....
「恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
は容易に眠れなかった。 彼女の耳の底には、正勝の、安心していろ! という言葉が
耳鳴りのように付き纏《まと》っていた。そして目を閉じると、身体にぐるぐると綱を巻....
「ネオン横丁殺人事件」より 著者:海野十三
はカタリとも音がせず、先刻鼓膜をうった音でさえ静寂の中にとけこんで、あれは自分の
耳鳴りであったろうかと疑われるのだった。五分、六分、七分……。 「呀ッ、怪しいや....
「愚人の毒」より 著者:小酒井不木
くだけであった。訊問室はしばらくの間しーんとして、蝉の声がキニーネを飲んだときの
耳鳴りを思わせるように響いてきた。 「ところで」 と、検事は二、三回ばたばたと....
「足迹」より 著者:徳田秋声
よく行ったことのある小塚から来たらしいのもあった。お庄はそれを読みながら、劇しい
耳鳴りを感じた。舌も乾くようであった。 昼過ぎに、軽い夏の雨が降って来た。お庄....
「早すぎる埋葬」より 著者:佐々木直次郎
の持続。なんの懸念もなく――希望もなく、――努力もない。次に長い間をおいてから、
耳鳴りがする。それからもっと長い時間がたってから、手足のひりひり痛む感覚。次には....
「天馬」より 著者:金史良
にあきらめていつの間にかどこかへ消え失せてしまった。 彼はこんなに飲み始めると
耳鳴りがし足が動けなくなるまでぐでんぐでんに酔わねば収まらない性分である。でも彼....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
けた姿勢をとると、語をちょっと休んだ。 「あの医者にやられた。」と彼は呟いた。「
耳鳴りがする。寝かしてくれ。」 私が大して手伝わないうちに彼はまた以前の場所へ....
「まかないの棒」より 著者:黒島伝治
。始終、耳がじいんと鳴り、頭が変にもや/\した。 タバコ(休憩時間のこと)には
耳鳴りは一層ひどくなった。他の労働者達は焚き火にあたりながら冗談を云ったり、悪戯....
「発掘した美女」より 著者:坂口安吾
でも、そう、にわかに元に戻らないわ」 「ジッと目をつぶッてらッしゃい」 「ええ。
耳鳴りがしてるのよ」 初音サンは梅玉堂の手首を汗がにじむほど握りしめていたので....
「生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
れないから、今宵の月を雲に任せようという、「光雲無碍」ということであります。私も
耳鳴りで苦しんだときにこのさわりがありながら、そのさわりを取り去るのでなくそうい....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
もあります」 「何かそのほかに徴候はないかね。一番最初の徴候は何かね」 「頭痛、
耳鳴り、眩暈、幻想……まあ、そんなものです」 「ああ、なんだって……?」と、突然....
「二十一」より 著者:坂口安吾
ーローとなり、意識は百方へ分裂し、遂に幻聴となり、教室で先生の声がきこえず幻聴や
耳鳴りだけが響くのには大いに迷惑した。夏休みがきたから、故郷の海で水浴に耽り、一....
「白い道」より 著者:徳永直
咳ばらいした。 「こちら、青井三吉君――、こちらは野上シゲさん――」 ジーンと
耳鳴りがしていて、あいてをみずに三吉は頭をさげた。すると、意外にもうつむいていた....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
痛いことは問題にしないとしても、そのたびごとに一、二日位ずつは腕が使えないのだ。
耳鳴りは前より幾分減ったことは確かだ、ことに左の耳、つまり僕のつんぼが始まり出し....