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耽美
「耽美〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
耽美の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
を読めば、院長という人物がどんなに悪魔的な存在だったかまた、病苦に歪められたその
耽美思想が、どういう凄惨な形となって現われたかは、詳しくお判りになりましょう。そ....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
のような線を見せた。「大川宗三郎君(作者註、大川氏は麻川氏の先輩で、その頃有名な
耽美派作家とも悪徳派作家とも呼ばれて居た。)の妻君の妹ですよ。赫子ってお転婆さん....
「志賀直哉氏の作品」より 著者:菊池寛
しさ力強さは、氏の作品を裏付けている志賀直哉氏の道徳ではないかと思う。 自分は
耽美主義の作品、或は心理小説、単なるリアリズムの作品にある種の物足らなさを感ずる....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
としてよりは小生一個の希望――文学に対する註文を有体に云うと、今日の享楽主義又は
耽美主義の底には、沈痛なる人生の叫びを蔵しているのを認めないではないが、何処かに....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
き哲学者になろうではないか。私はH氏のものものしき惑溺呼わりに憎悪を抱き、K氏の
耽美主義に反感を起こし、M博士の遊びの気分に溜息を洩らす。M博士は私の離れじとば....
「最近悦ばれているものから」より 著者:宮本百合子
く寓話は地上のものではないようにさえ見えるのである。 けれども、其なら彼はその
耽美の塔に立て籠って、夕栄の雲のような夢幻に陶酔していると云うのだろうか、私は単....
「田舎」より 著者:プレヴォーマルセル
自分のためにのぼせてくれるのを、受身になって楽しむところに存する。エピクロス派の
耽美家が初老を越すと、相手の女の情欲を芸術的に研究しようと云う心理的好奇心より外....
「五月の空」より 著者:宮本百合子
朴な 原始に還り 一目で、ものの しんを掴みたく思う。 現代の 複雑さ、未来派や
耽美派やソシアリストや 皆、生命の ワン グリムプスを奉じて居ると思う。 生命の....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
授けられた機会においてであった、なぜなら、彼らが最も感動するのは勲章だったから。
耽美《たんび》主義者、超人、居留外国人、社会主義の大臣、などが皆一致して、あのコ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ものであって、あたかもりんごの木がりんごを生ずるのと同じだと思っていた。政治家や
耽美《たんび》家や社会学者がそれに接《つ》ぎ木されることは、おかしな変形だと思っ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
表現でよろしい。巧妙な展聞も精緻《せいち》な和声《ハーモニー》もいらない。君たち
耽美《たんび》家の熟達せる技能が何になろう? 君たちは僕の生を愛してほしい。僕を....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
う若者で、美貌《びぼう》自慢で利口で生意気な奴《やつ》だった。彼は仲間じゅうでの
耽美《たんび》家だった。無政府主義者だと自称し、有産階級にたいしてもっとも激烈な....
「大正女流俳句の近代的特色」より 著者:杉田久女
るさい様な、又花を見てきた甘い疲れぎみもあって、その動作の印象と、複雑な色彩美を
耽美的に大胆に言い放っている。それから婦人でなくては親しめぬ材料の簪櫛指輪などの....
「朱絃舎浜子」より 著者:長谷川時雨
間を借りることにした。 で、便次《ついで》に、朱絃舎の門弟といえば、浜子の箏の
耽美者《たんびしゃ》である、最も近しい仲の人たちばかりだった。それらが密接なつな....
「増上寺物語」より 著者:佐藤垢石
れがない。まことに残念である。もし、芝に日光だけの天然を持たせたならば、見る人の
耽美の情を揺するこの芸術は、日光以上の声価をもって世界に紹介されたであったろうと....