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「耽読〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

耽読の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
百合」より 著者:芥川竜之介
。しかしそれは本意ではない。彼は少しの暇さえあれば、翻訳《ほんやく》のマルクスを耽読《たんどく》している。あるいは太い指の先に一本のバットを楽しみながら、薄暗い....
春の盗賊」より 著者:太宰治
私は、ばかを見るかも知れない。いままで、二十数年間、何もせずに無用の物語本ばかり耽読《たんどく》していた結果であろう。私は自身の、謂わば骨の髄にまで滲み込んでい....
アッシャー家の崩壊」より 著者:佐々木直次郎
9)やイージパン(20)についての三、四節は、アッシャーがよく何時間も夢み心地で耽読《たんどく》していたものであった。しかし彼のいちばんの喜びは、四折判《クオー....
温情の裕かな夏目さん」より 著者:内田魯庵
それは三、四年前に、マローの『ファウスト』とかスペンサーの或る作とかを頻りに耽読していられた事から見ても解るであろう。....
自叙伝」より 著者:大杉栄
、しきりに古文もどきや漢文もどきの文章を発表した時代だ。僕はそんなものをしきりに耽読した。 僕が今ここに塩井雨江という名を挙げたのは、その人の何かの文章の中に....
パンドラの匣」より 著者:太宰治
られるのだ。この道場では、本を読む事はもちろん、新聞を読む事さえ禁ぜられている。耽読は、からだに悪い事かも知れない。まあ、ここにいる間だけでも、うるさい思念の洪....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
、やっと高等学校の入学試験にパスしたのを誇るくらいのところ、大抵の者は低級雑誌を耽読《たんどく》したり、活動写真のファンだなぞと愚にもつかないことを大したことの....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
た。それはなぜだか自分にも確実には判らなかったが、ふだんから外国の探偵物語などを耽読していた私の予備知識が、ただなんとなしにそう教えてくれたらしく、小鉄の死につ....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
た。冒険的事業や艱難辛苦を、いや、危険をさえも、道楽に好んだ。騎士や恋物語の本を耽読した。史詩をつくったり、妖術と騎士の冒険の物語をたくさん書きはじめたりした。....
子規居士と余」より 著者:高浜虚子
質』や『妹背鏡』や、森鴎外氏の『埋木』やそんなものを古書肆から猟って来てそれらを耽読したり上野の図書館に通って日を消したりしながら、さて小説に筆を染めて見ようと....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
の大文学を研究し、進んでビェリンスキー、ドブロリューボフ、ヘルチェン等の論文集を耽読し、殊に深くビェリンスキーに傾倒していた。尤も半ば語学研究の必要のために外な....
二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
あった。プーシキンやゴンチャローフやドストエフスキーや露西亜の近代の巨星の名什を耽読したのが四十年前で、ツルゲーネフの断章を初めて日本に翻訳紹介したのが三十六年....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
、世人に歓喜をもって迎えられ、啻に少年のみならず、政治家、法律家などに至るまでも耽読されたと言われ、スティーヴンスンの名声を初めて高めたのであった。それ以来今日....
書を愛して書を持たず」より 著者:小川未明
々にとっては、全く縁なきものであります。一行、一句にも心を捕えられ、恍惚として、耽読せしむるものは、即ち知己であり、その著者と向志を同じくするがためです。眼だけ....
春水と三馬」より 著者:桑木厳翼
て一応各巻の梗概を記すこととする。 ※先生は祖父母に甘やかされて生長し、赤本を耽読して悉く之を誦じ、其他雑芸雑学に通じて衆愚に説法することを楽しむ一個の閑人で....