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聖域
「聖域〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
聖域の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
何なる縁りの人物であろうか。 恥ずかしき変装 さすがは弥陀の光に包まれた
聖域だけに、隆魔山蓮照寺のなかまでは、追跡の手が届いてこなかった。かくて夕陽は鬱....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
価値を真・善・美・聖に分ける処の、宗教独自の領域、而も人類の存在と共に永久不変な
聖域を想定する宗教の所謂アプリオリ(先験)主義である。宗教は人間本来の要求(神と....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
ら割り出され得ることであろうか。東洋文化の真只中、大東京の中心地として、馬場先の
聖域と東京駅と、警視庁とを鼻の先に控えた晴れの場所で、ついこの間まで現役の探偵と....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
経験的与件に累わされることなく、一旦確立されたものは、永久に覆えされる心配のない
聖域に安置される。哲学の真理は範疇的であり、永遠である、それは絶対的真理である、....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
宮廷的なものや、更に又ブルジョア的なものに対して、俗物的と考えられた。神聖な特権
聖域外に横たわるものが俗物的なものとなる。アカデミックなビルドゥンクやシュールン....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
を、重んぜざる者に、大人《たいじん》となり、君子となり、達人となり、名人となり、
聖域に至るの人ありという例《ためし》を聞かない。 だがしかし、型と、礼儀に捉わ....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
ないのである。ミウーソフは堂のまわりにある墓石をぼんやり見回しながら、こういう『
聖域』に葬られる権利のために、この墓はさぞ高いものについたことだろう、と言おうと....
「高千穂に思う」より 著者:豊島与志雄
この天然林は、山の中腹以上の広い地域に亘っている。伐採はすべて禁ぜられ、神宮
聖域の幽邃な風致が保存せられている。 濶葉樹の天然林には、柔かな神秘の影がこも....
「聖女人像」より 著者:豊島与志雄
独圏を確保したい。そこへだけは、何物にも踏み込ませたくない。そここそ、私の思念の
聖域なのだ。 晩年の別所のことを私は思い出す。彼は文学者で、逞ましい作家だった....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
に、新子の周囲も、掃き浄められたものであって、ほしかった。自分が足を踏み入れない
聖域には、他人にも足を踏み入れてもらいたくなかった。だからその美沢という男は、早....
「「壇」の解体」より 著者:中井正一
張りである。その中に置かれることで、或種の安心と尊敬をむさぼることの出来る一つの
聖域である。人々はその中に祭られんことをのみ希っている。 又別の考え方より見れ....
「哲学の現代的意義」より 著者:戸坂潤
あるかのように、今は往々考えている。之によると思索の試験は思想の科学の彼岸にある
聖域ででもあるらしい。処が思索であろうが瞑想であろうが、それとも又反省であろうが....