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「聖天〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

聖天の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
との観音《カンキン》とは貴女《あなた》さまじゃ。毘沙門天《ヴィシュラヴナ》の富、聖天《カネシャ》の愉楽を、おう、われに与えたまえ」 ケティには、なんでそういわ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
はわたしである。老人はわたしの問うにしたがって浅草あたりの昔話を聞かせてくれた。聖天《しょうでん》様や袖摺《そですり》稲荷の話も出た。それからだんだんに花が咲い....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
道楽者だけに、玩具屋の店は三年ほど前に潰してしまって、今じゃあ田町を立ち退いて、聖天下《しょうでんした》の裏店《うらだな》にもぐり込んで、風車《かざぐるま》や蝶....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
に起こった。二月二十一日の夜の五ツ半(午後九時)頃に、遠州屋の主人才兵衛は浅草の聖天下《しょうでんした》で何者にか殺害された。短刀か匕首《あいくち》で脇腹を刺さ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
内者につれて、半七が馬道へゆき着いた頃には、このごろの長い日ももう暮れかかって、聖天の森の影もどんよりと陰っていた。 「なんだか忌な空合いになって来ましたね」と....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
ように追って行った。 角町から三筋通り、辻を曲がって藪小路、さらに花木町緑町、聖天前を右へ抜け、しばらく行くと坂本町……二人の武士は附かず離れず半刻あまりも歩....
廿九日の牡丹餅」より 著者:岡本綺堂
てまいります。」 お熊は直ぐに出て行った。けさももう五つ半(午前九時)過ぎで、聖天の森では蝉の声が暑そうにきこえた。正直な小女は日傘もささずに、金龍山下|瓦町....
番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
の名をいった。この時代の町奴の習いとして、その他の者共も並木の長吉、橋場の仁助、聖天の万蔵、田町の弥作と誇り顔に一々名乗った。もうこうなっては敵も味方も無事に別....
今戸狐」より 著者:小山内薫
遅くなったので、折詰を片手にしながら、てくてく馬道の通りを急いでやって来て、さて聖天下の今戸橋のところまで来ると、四辺は一面の出水で、最早如何することも出来ない....
」より 著者:岡本かの子
旗を立て連ねた松屋百貨店の屋上運動場の一角だけが望まれる。崖普請をしている待乳山聖天から、土運び機械の断続定まらない鎖の音が水を渡って来る。 室子は茶の芽生え....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
もしてやろう」 全大阪の市民は今やまったく熱狂的に信心深いものとなった。生駒の聖天様も、能勢の妙見さんも、高津神社も、天満の天神さんも毎日満員である。 それ....
「明治のおもかげ」序にかえて」より 著者:喜多村緑郎
の連続では、愛想をつかす方が尤もと思うと、雨垂れほどに戸も叩けず、すごすご近くの聖天山で夜を明かすのが例にさえなった。……いろいろと隅田川の夜明けの景色だけは深....
春泥」より 著者:久保田万太郎
く白い波を蹴立てる蒸汽。――それは、田代の、いまのようにまだ役者にならない時分、聖天町の油屋の次男坊だったころ毎日のようにながめた光景だった。――それがそも/\....
早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
れから今のように町並がひろげられたのであった。 その頃、今の安田銀行の向いで、聖天様の小さな赤い堂のあるあの角の所に、いろはという牛肉屋があった。いろはといえ....
雷門以北」より 著者:久保田万太郎
所からはあんまり通わなかった)北はその花川戸、山の宿、金竜山下瓦町。――猿若町、聖天町を経て、遠く吉野山谷あたりから来るものばかりだった。まれには「吉原」からも....