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聖天子
「聖天子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
聖天子の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「斗南先生」より 著者:中島敦
我が国内各方面について、他日この絶大実力を貯うべき備《そなえ》ありやを顧み、上に
聖天子おわしましながら有君而無臣を慨《なげ》き、政治に外交に教育に、それぞれ得意....
「文学に関する感想」より 著者:宮本百合子
、かつてわが国を無階級で自由な一国に統一して合理的な政治によって万民をうるおした
聖天子の末裔があらせられる。(中略)そのむかしの自由な日本はこの
聖天子を幕府とお....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
見らるべき事情はあるのであります。
西と言い、東と言い、ひとしくこれ万世一系の
聖天子の王土であるが、そこは凡夫の浅ましさ、事毎に、多少の対抗意識の現われること....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
上げてしまったのです」 弁信法師はこういって、感慨深く息をついて、 「ところが
聖天子は、それを御感心あって、それより以来、矮奴を貢《みつぎ》とすることを悉《こ....
「源氏物語」より 著者:紫式部
ている。陛下のことは院の御遺言どおりに万事計らって位をお譲り申し上げたから、この
聖天子を国民がいただきうることになり、私の不名誉まで取り返していただいている。こ....
「一世お鯉」より 著者:長谷川時雨
た。とりわけ花柳界の気組《きぐみ》は華々しかった。世はよし、時は桜の春三月なり、
聖天子|万機《ばんき》の朝政を臠《みそなわ》すによしとて、都とさだめたもうて三十....
「三国志」より 著者:吉川英治
して高くかかげ、呂布はかねて王允から渡されていた詔書をひらいて、高台に立ち、 「
聖天子のみことのりにより、逆臣董卓を討ち終んぬ。――その余は罪なし、ことごとくゆ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
所を興して、寺社の訴訟も親しく聴かれ、御余暇といえ、学殖のお養い、禅の研鑽など、
聖天子たるの御勉強には、大御心のたゆむお暇も仰げぬという。 ――すると、大事な....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
台には、三千の美翠の釵、あざらかにて、おん眦に懸らんとのみ倖せし給ひし……」若き
聖天子でありながら、人間的には、獄の囚人、野の乞食よりも、悲惨な末路をとげ給うた....
「建国の事情と万世一系の思想」より 著者:津田左右吉
である。文化の進歩と政治上の情勢とがそうさせたのである。その代り、儒教思想による
聖天子の観念が天皇にあてはめられることになった。これは記紀にすでにあらわれている....