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聖女
「聖女〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
聖女の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
てくると、――ああ、ダンネベルグ夫人はその童貞を讃えられ、最後の恍惚境において、
聖女として迎えられたのであろうか――と、知らず知らず洩れ出てくる嘆声を、果てはど....
「鎮魂歌」より 著者:原民喜
めた 情欲について 情欲は僕を眩惑《げんわく》させた バランスについて 僕の
聖女はバランスだ 夢について 夢は僕の一切だ 神について 神は僕を沈黙させる....
「フロレンス・ナイチンゲールの生涯」より 著者:宮本百合子
慈悲の女神、天使として、フロレンス・ナイチンゲールは生きているうちから、なかば伝説につつまれた存在であった。後代になれば
聖女めいた色彩は一層濃くされて、天上のものが人間界の呻吟のなかへあまくだった姿の....
「大和路・信濃路」より 著者:堀辰雄
――自分を与え与えしているうちにいつしか自分を神にしていたようなクロオデル好みの
聖女とは反対に、自分を与えれば与えるほどいよいよはかない境涯に堕《お》ちてゆかな....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
『デヴィッドの生立』 時局関係のもの数冊(『支那は生存し得るか』その他) 『
聖女ジョウン』 『戦争』 『経済学及び課税の原理』 『支那経済地理概論』 ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ああ、なんという美しさであろう。偉大なる画家は、理想の美を天界に求めて、地上に
聖女の真像を描きますが、今わたしの眼前にある自然のほんとうの美しさに近い描写はま....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
り口に遠い十字路で、二人は泉の前を通りかかった。泉の上には、カトリック教の小さな
聖女、優雅なちょっと可憐《かれん》な木製のマドレーヌ像が、両腕を差し出して立って....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
は特に選んでサンプリスの名前をつけた。シシリーのサンプリスといえば人の知る有名な
聖女である。
聖女はシラキューズで生まれたのであって、セゲスタで生まれたと嘘《うそ....
「堕落論」より 著者:坂口安吾
ではないか。人間は変りはしない。ただ人間へ戻ってきたのだ。人間は堕落する。義士も
聖女も堕落する。それを防ぐことはできないし、防ぐことによって人を救うことはできな....
「探偵の巻」より 著者:坂口安吾
ダルは洗ひざらひ喋べつてきかせる。中学生とどうして大学生とどうした等々。自分だけ
聖女のやうな顔してゐる。どこへ行つても、さうなのだ。こつちはメニサンクスだの復讐....
「小説集「聖女人像」後記」より 著者:豊島与志雄
小説集「
聖女人像」後記 豊島与志雄 終戦後私は、普通の小説を少しく書き、近代説話と自称....
「唇草」より 著者:岡本かの子
まで黙ってて下さい。この位のことはしてくれてもいいですよ。あなたがいくら嘘嫌いな
聖女でも若いもののロマン性はお互いに庇い合いましょう」 私はこの時もあまり同感....
「かもじの美術家」より 著者:神西清
ぞ。今囘リューバは三役三様に髪をととのえてやらねばならん。そして芝居がはねたら、
聖女ツェツィリヤの姿をさせて、わしの目通りへ出すのだ。」 アルカージイ・イリイ....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
淡い黄昏《たそがれ》の微光をば夢のように残していた。私はシャワンの描《えが》いた
聖女ジェネヴィエーブが静に巴里《パリー》の夜景を見下《みおろ》している、かのパン....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
をあけてもらった。いかにも「お目にかかる」という心地であった。 なつかしいわが
聖女は、六畳間の中央に腰掛けを置いて静かにそこに腰かけている。うしろには床の間が....