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聖徒
「聖徒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
聖徒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
前へ歩み寄り、その龕の中の半身像にこういう説明を加え出しました。
「これは我々の
聖徒のひとり、――あらゆるものに反逆した
聖徒ストリントベリイです。この
聖徒はさん....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
られたらしい。長崎《ながさき》あたりの村々には、時々日の暮の光と一しょに、天使や
聖徒の見舞う事があった。現にあのさん・じょあん・ばちすたさえ、一度などは浦上《う....
「文鳥」より 著者:夏目漱石
た。今の世にこんな事のできるものがいるかどうだかはなはだ疑わしい。おそらく古代の
聖徒《せいんと》の仕事だろう。三重吉は嘘《うそ》を吐《つ》いたに違ない。 或日....
「薤露行」より 著者:夏目漱石
とき、傷負える人の傷ありと心付かぬ時ほど悔《くい》の甚《はなはだ》しきはあらず。
聖徒に向って鞭《むち》を加えたる非の恐しきは、鞭《むちう》てるものの身に跳《は》....
「こころ」より 著者:夏目漱石
ぜいたく》をいうのをあたかも不道徳のように考えていました。なまじい昔の高僧だとか
聖徒《セーント》だとかの伝《でん》を読んだ彼には、ややともすると精神と肉体とを切....
「三四郎」より 著者:夏目漱石
は、願いにもあらず、望みにもあらず、気高き信者の見たるあからさまなる事実なれば、
聖徒イノセントの墓地に横たわるは、なおエジプトの砂中にうずまるがごとし。常住の我....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
世界だ。一つは市民らが信仰しているにせよ、いぬにせよ、敬意を捧げている基督及び諸
聖徒の世界だ。クララは第一の世界に生い立って栄耀栄華を極むべき身分にあった。その....
「ある抗議書」より 著者:菊池寛
われます。まるで、坂下鶴吉に殺された者が、脚台になって此の悪人を――基督教的には
聖徒を、天国へ昇せてやって居るようではありませんか。基督教徒が、彼等の教旨の為に....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
絹はすべて五月の朝のSAVOY平野の草の色だった。壁画が霞んで、円天井の等身像は
聖徒の会合のように空に群れ飛んでいた。いたるところに大笠電灯と休憩椅子があった。....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
生きていて、多少馬鹿にされてはいるが、村の子供たちに非常に好かれていて、日曜日や
聖徒祭日には教会での名うての唱歌者になってある。 シルヴァーのことは、私たちは....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
拷問《ごうもん》を受け、殉教者として死に就《つ》くこととなった。すでに教会が彼を
聖徒と崇《あが》めて、そのからだを葬ろうとした時であった、『許されざるものは出で....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
生きた人で、こんな静かな落ち着いた様子の人を見たことがなかった。まるで村のお寺の
聖徒の像のようであった。 老人の回りには三びきの犬が、固まってねていた。白いち....
「パルテノン」より 著者:野上豊一郎
の侵入を撃退したギリシア軍の名誉を主題とした殿堂の壁画は抹殺されて、キリスト教の
聖徒の光栄がフレスコで描かれた。けれども破風と彫刻帯の浮彫は高い所にあったから当....
「大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ」より 著者:神西清
この人を乗せて走ってみないこと? オーリャ、お乗りなさいな。ほんの少しだけよ。」
聖徒はトロイカなどに乗って駈けずり廻らぬものだから、男たちは多分尼僧が断るだろう....
「それから」より 著者:夏目漱石
得た心臓の鼓動を、覚めた後まで持ち伝える事が屡《しばしば》あった。そんな場合には
聖徒《セイント》の如く、胸に手を当てて、眼を開けたまま、じっと天井を見詰めていた....