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聖母
「聖母〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
聖母の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
《きりしたんしゅうもん》禁制時代の天主教徒《てんしゅきょうと》が、屡《しばしば》
聖母《せいぼ》麻利耶の代りに礼拝《らいはい》した、多くは白磁《はくじ》の観音像で....
「貉」より 著者:芥川竜之介
上の子供たちが、青と白との衣《きもの》を着たプロテスタント派の少女を、昔ながらの
聖母マリアだと信じて、疑わなかった話を書いている。ひとしく人の心の中に生きている....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
か大きな音のした方を見廻したのであった。分かった。寝台と反対側の壁にかけてあった
聖母マリヤの額像が半分に千切《ちぎ》れ、上半分だけが壁にぶら下ってまだぶらぶらし....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
」 それは嘘であることを澹山はよく知っていた。この古びた女人像は、切支丹宗徒が
聖母として礼拝するマリアの像であった。四国西国ならば知らず、この奥州の果ての小さ....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
でクララの体は抵抗のない空間に傾き倒れて行った。はっを打って落ちながら一心不乱に
聖母を念じた。 ふと光ったものが眼の前を過ぎて通ったと思った。と、その両肱は棚....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
神的な石灰面が壁面を占めていた。右側のは処女受胎の図で、いかにも貧血的な相をした
聖母が左端に立ち、右方には旧約聖書の聖人達が集っていて、それがみな掌で両眼を覆い....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
て、道徳|堅固な外国の僧侶たちが、女人|禁制の、清い、きびしい生活を送り、朝夕、
聖母マリヤに対する礼拝を怠らない。 それは秋もようやくたけた十一月のおわりのこ....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
スタンゲット、――ダミヤ、――ジョセフィン・ベーカー、――ラッケル・メレール。「
聖母マリアがもし現代に生れていたら」とカジノ・ド・パリの興行主は言った。「わたし....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
通す鋭い白刃のような絶望の顔や、歎願するような顔を見せるのです。それは「悲しみの
聖母」のどれよりも、もっと強い刃でつらぬくような顔つきでありました。 そのうち....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
つけが成功したと思って、たいそう満足しました。エスターは、礼拝堂をつくってくれ、
聖母の絵をかいてくれました。エミイは、心をこめてここに祈り、ベスの病気をなおし、....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
とろけ出しているようにおもわれました。次の横町の角には、うすぐらい灯明がひとつ、
聖母のお像のまえにさがっていましたが、そのあかりはまるでないのも同様でした。すぐ....
「寡婦」より 著者:秋田滋
たりとした、静かな声をして口を利く娘で、眼つきと云ったら、それはそれは優しくて、
聖母の眼つきにそッくりと申したいほどでした。年をとった殿様は、その娘を自分の屋敷....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
ってあなたはまだ寝てらしった御様子よ。 薄暗い祭壇の長い蝋燭が百合の花の半面や
聖母像の胸を照らして居てあとははっきり何も見えない。胴をちぎれる程締めたイベット....
「人狼」より 著者:岡本綺堂
れたり。土間には炉を切りて、上のかたには破れ障子を閉めたる一間あり。正面の壁には
聖母マリアの額をかけ、その前の小さき棚には金属製のマリアの立像を祭りてあり。よき....
「火夫」より 著者:カフカフランツ
火夫はカルルの手をつかみ、最後の瞬間にベッドの上の壁から額ぶちに入ったままの
聖母像を取り、それを胸のポケットに突っこんで、自分のトランクを手に取ると、カルル....