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聚落
「聚落〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
聚落の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「魔法修行者」より 著者:幸田露伴
長頭丸が植通公を訪うた時、この頃何かの世間話があったかと尋ねられたのに答えて、「
聚落の安芸の毛利殿の亭にて連歌の折、庭の紅梅につけて、梅の花|神代もきかぬ色香か....
「竇氏」より 著者:田中貢太郎
こし休んでおれば通り過ぎる。何処か休む処はないかと思って眼をやった。其処は小さな
聚落で家の周囲に楡の樹を植えた泥壁の農家が並んでいた。南は其処に庭のちょいと広い....
「トコヨゴヨミ」より 著者:田山花袋
、其処に一軒此処に一軒という風にぽつぽつ家があるばかりで、内地のようにかたまって
聚落を成してはいなかった。それに、家屋も掘立小屋見たいなものが多かった。それは其....
「異質触媒作用」より 著者:寺田寅彦
の功名意外の拾い物であった。 帰路は夕日を背負って走るので武蔵野特有の雑木林の
聚落がその可能な最も美しい色彩で描き出されていた。到る処に穂芒が銀燭のごとく灯っ....
「喫煙四十年」より 著者:寺田寅彦
て人間の生活程度が高ければ高いほど余計に煙を製造する。蛮地では人煙が稀薄であり、
聚落の上に煙の立つのは民の竈の賑わえる表徴である。現代都市の繁栄は空気の汚濁の程....
「飛騨の顔」より 著者:坂口安吾
それを伝統的に無意識にやっているのか、モデルがあってのことか。そういう顔ばかりの
聚落があれば面白かろうと考えたりしたが、それはあまりにもヒマの隠居好みのセンサク....
「春盲」より 著者:豊島与志雄
ず、植えられた樹木も灌木の如く小さい。随って、焼け残りの街衢は、荒野の中に小さな
聚落をなし、こんもりとした樹木の茂みに包まれて、町ではなく村である。そういう部落....
「鳶と柿と鶏」より 著者:豊島与志雄
と、吉村はすぐに小説家らしい想像をしながら、苦笑をもらした。 半農半漁の人家の
聚落の間をぬけて、もはやどこもひっそりとしてる別荘地の方へはいり、その出外れ近い....
「白藤」より 著者:豊島与志雄
、ぽつりぽつりと建てられてるバラック小屋を見、ぎっしり立ち並んでる古い日本家屋の
聚落を見、高層な洋式建物が軒を連ねてるのを見ました。或る処には、人影もない寂寥を....
「白蛾」より 著者:豊島与志雄
、なんとなく、岸本省平にはそう思われるのでした。そしてまた、この焼け残りの人家の
聚落と焼け跡の貧しい耕作地との中から、静かに立ち現われてくる女があるとしたら、そ....
「土地に還る」より 著者:豊島与志雄
ようにして耕作されました。蟻が巣のまわりに餌をあさり歩くように、焼け残りの人家の
聚落から四方へ耕作の手が延ばされました。その中で彼は、立ち後れながらも、あちこち....
「七重文化の都市」より 著者:野上豊一郎
の間に回教伽藍《モスク》の円屋根《キューポラ》と尖塔《ミナレット》のおびただしい
聚落がある。サイドに聞くと、カイロにはモスクが大小四百ばかりあるそうだ。カイロが....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
住地たる五十鈴川上にくらべて、五十鈴河口の二見が当時としてはより賑やかで恵まれた
聚落であったに相違ないという想像にもとづき、したがって、そこにより強大な親分がい....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
名が多い。このあたりは昔はスワと云い、今に古スワの地名がある由。舟をすてた最初の
聚落がスワで、乗鞍を越えた信濃側にもスワがある。 しかし、乗鞍に位山の古い呼び....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
われたを持っているだけであった。 そうした頃の歌は、数かぎりなくこの日本列島の
聚落のうちで、人たちの口にうたわれておったであろうが、社会生活の生長変化にともな....