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聞知
「聞知〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
聞知の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
実の真相が少しずつお島の心に沁込《しみこ》むようになって来た。養家の旧《もと》を
聞知っている学校友達などから、ちょいちょい聞くともなし聞齧《ききかじ》ったところ....
「食魔」より 著者:岡本かの子
論家であり、後に九代目団十郎のための劇作家となった桜痴居士福地源一郎の生活態度を
聞知っていた。この旗本出で江戸っ子の作者は、極貧の中に在って客に食事を供するとき....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
た。 「必ずしもそうではありませぬ」 「然らば裁判長は職権を以て、証人が支倉より
聞知した告白を、当法廷に於て陳述する事を要求する」 宮木判事はきっと宣告した。....
「言語体の文章と浮雲」より 著者:幸田露伴
た程の古い昔に、彼の「浮雲」でもって同君の名を知り伎倆を知り其執筆の苦心の話をも
聞知ったのでありました。 当時所謂言文一致体の文章と云うものは専ら山田美妙君の....
「西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
\と思い焦れて遂に重き病気になり、病臥して居ります、斯る次第ゆえ、此の始末を娘が
聞知る時は、憂に迫り病重って相果てるか、願の成らぬに力を落し、自害をいたすも知れ....
「家」より 著者:島崎藤村
処か判然しないところがある。どうも隠しているらしく思われるところが有る。もし嫁が
聞知っているものとすれば、何とか言い賺して、夫の行方を突留めたい。こう思った。お....
「家」より 著者:島崎藤村
好な人が好く語れない位であった。巣山、明山の差別、無智な人民の盗伐などは、三吉も
聞知っていることであるが、猶森彦は地方を代表して上京したそもそもから、終には一文....
「みちの記」より 著者:森鴎外
う代りに「それがこの鉱泉の憲法か」などいう癖あり。ある時はわが大学に在りしことを
聞知りてか、学士博士などいう人々|三文の価なしということしたり顔に弁じぬ。さすが....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
なるものも所謂、実見記等の類に非ず。或る特異の頭脳を有する僧侶、医師等が他人より
聞知し、又は探聞し得たる事を記載せる随筆程度のものに過ぎざるのみならず、その記事....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
西部首領となっておりました事も、この団体の完全な秘密組織のために遮断されて夢にも
聞知していなかったそうであります。すなわち小生も妻も、結社加入以来一度も本名を名....
「S岬西洋婦人絞殺事件」より 著者:夢野久作
ー氏の行動はズット以前から極秘密に特高課の監視を受けていたものらしく、その自殺を
聞知した私服の特高課、外事課員が二人、山口署長に極秘密で面会し、事件の真相を聴取....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
うでございます。さて文治遠島の次第は重役は勿論、右京殿家来藤原喜代之助も其の前日
聞知りましたが、当番の都合にて直ぐ様文治の留守宅へ知らせる事が出来ませぬ。漸く其....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
した事がない。自分の方から好きだと思う男に対してはなお更の事で、その男が何か深く
聞知ろうとすればいよいよ堅く口を閉じて何事をも語らない。同じ店につとめているカッ....