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聞返す
「聞返す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
聞返すの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
の袖の香を留めた、友染の花も、綾の霞も、畳の上を消えないのである。 真砂町、と
聞返すと斉しく、屹とその座に目を注いだが、驚破と謂わば身をもって、影をも守らん意....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
あるまいか。」 と妙な事を沈んで聞く。 「今夜……ですか。」とお三輪はきっぱり
聞返す。 「……そうだね、今夜、と極まった事も無いけれど、この頃にさ、そういう家....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
だのを、と翳して見つつ)おお、咲きました。貴女の顔を見るように。 百合 ええ?(
聞返す。) 学円 いや、髪の色を見るように。 百合 もう、年をとりますと、花どこ....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
。どうぞ、御免遊ばして下さいまし。 紳士 言う事はそれだけか。 初の烏 はい?(
聞返す。) 紳士 俺に云う事は、それだけか、女郎。 初の烏 あの、(口籠る)今夜....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
に出られては弱るからな。」 「へい、按摩がな。」と何か知らず、女中も読めぬ顔して
聞返す。 捻平この話を、打消すように咳して、 「さ、一献参ろう。どうじゃ、こち....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
ばかり。鼻も大きければ、口も大きい、額の黒子も大入道、眉をもじゃもじゃと動かして
聞返す。 これがために、窶れた男は言渋って、 「で、ございますから、どうぞ蝋燭....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
に浅葱とて、月夜に色の白いよう、多一は照らされた面色だった。 「なあ?」とお珊が
聞返す、胸を薄く数を襲ねた、雪の深い襲ねの襟に、檜扇を取って挿していた。 「御寮....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
殿女中の風をして、」 ――顔を合わせた。―― 「御殿女中の?……」 と三造は
聞返す。 「お聞きなされ、その若衆の話でござって――ト見ると、唇がキラキラと玉虫....
「怪奇人造島」より 著者:寺島柾史
「じゃ、君は、あの怪老人を、あの偉大な生理学者を、亡霊だったというのかい」僕は、
聞返すと、 「だって、妙じゃないか。幽霊船が、やっぱり、ほんとうの幽霊船なら、あ....