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聴
「聴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
聴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
参致したのでございます。いかがでございましょう。御退屈でも私の身の上話を一通り御
聴き取り下さる訳には参りますまいか。」
私は答に躊躇《ちゅうちょ》した。成程《....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
れを聞いた侍たちは、何しろ今までは髪長彦の話した事を、さも自分たちの手柄らしく吹
聴していたのですから、二人とも急に顔色を変えて、相手の言《ことば》を遮りながら、....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
し》にさすらって、紅毛碧眼の胡僧《こそう》の口から、天上皇帝の御教《みおしえ》を
聴聞《ちょうもん》すると共に、滅びてしもうた。ただ、予が胸を痛めるのは、あの玉の....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
がけなくその戸口には、誰やら黒い人影が、まるで中の容子《ようす》でも偸《ぬす》み
聴いていたらしく、静に佇《たたず》んでいたのです。しかもその人影は、私の姿が見え....
「河童」より 著者:芥川竜之介
上に鼻目金《はなめがね》をかけた河童が一匹、僕のそばへひざまずきながら、僕の胸へ
聴診器を当てていました。その河童は僕が目をあいたのを見ると、僕に「静かに」という....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
好《い》い友人の趙生《ちょうせい》と一しょに、自由な生活を送っていた。戯《ぎ》を
聴《き》きに行く事もある。博《はく》を打って暮らす事もある。あるいはまた一晩中、....
「猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
え》ってそれを憐んだであろう。ああ、思えば一度でも好《い》いから、わたしの説教を
聴かせたかったと云った。それから――また各方面にいろいろ批評する名士はあったが、....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
郎氏は昨夕《さくゆう》五時十五分、突然発狂したるが如く、常子夫人の止《と》むるを
聴《き》かず、単身いずこにか失踪したり。同仁《どうじん》病院長山井博士の説によれ....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
代記の中にも、同じような記事が見えている。だから十三世紀以前には、少くとも人の視
聴を聳《そばだ》たしめる程度に、彼は欧羅巴《ヨオロッパ》の地をさまよわなかったら....
「狂女」より 著者:秋田滋
誰かがどこかであの狂女をつかまえて、彼女の口からどこのどういう人間かと云うことを
聴くことも出来ないので、病院に収容したままになっているのではあるまいか。しかし、....
「墓」より 著者:秋田滋
検事は、かつてベルトランという一軍曹によって犯された身の毛のよだつような行為を傍
聴人の念頭にまざまざと想い起させて、頻りにその感情を刺戟した。忿怒の身顫いが傍
聴....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
てこの地の名をも挙るものなれとて、いよいよ珍重して教えられ、人に逢えばその事を吹
聴さるるに予も嬉しき事に思い、ますます学問に身を入れしゆえ、九歳の時に神童と言わ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
夕の八時からで、入場料は一シリング(五十銭)というのであった。 これを見ると、
聴きたくてたまらなくなった。まず主人リボーの許可を得、それから鍛冶職をしておった....
「寡婦」より 著者:秋田滋
、考えるたびに私は泣きだしてしまうのです」 居合わせた人たちはすぐにもその話を
聴きたがった。けれども伯母はその話はしたくないと云った。が、皆なが拝むようにして....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
色の癖まで、彼はいちいち承知していた。石ただみのうえをこつこつと歩いて来る跫音を
聴くだけで、もう誰が来たのか、ちゃんと解るようになってしまった。 見なれない顔....