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聴神経
「聴神経〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
聴神経の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「変な音」より 著者:夏目漱石
この音はその後《ご》もよく繰返《くりかえ》された。ある時は五六分続いて自分の
聴神経を刺激する事もあったし、またある時はその半《なかば》にも至らないでぱたりと....
「鉄鎚」より 著者:夢野久作
取れないのを、私の鼓膜は雑作《ぞうさ》なしにハッキリと受け入れた。のみならず私の
聴神経はもっと遠い処から来るほかの音響までも、同時に聴こうとしているのであった。....
「壊れたバリコン」より 著者:海野十三
のシグナルはまことに微弱である上に、波長が時々に長くなったり短くなったりして僕の
聴神経を悩ませました。しかし相手の報じて来る内容が少しずつ判明して来ると共に、僕....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
左の乳房の下に当てがいまして、他の一端を覆面の下から、自分の耳に押当てて、一心に
聴神経を集中しているようで御座います。
屍体の心音を聴く。……おお……何という....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
の多価|木精であります事はたしかで、豚や犬等によって実験した結果を見ますと、先ず
聴神経を犯されて、次に視神経を破壊してしまいますが、心臓には絶対に影響しないよう....
「一足お先に」より 著者:夢野久作
リヒヤリとするその気持ちよさ……。 それから私はソロソロと扉の処へ帰って来て、
聴神経を遠くの方まで冴え返らせながら、ソット扉を細目に開いてみると、相変らず誰も....
「芸術が必要とする科学」より 著者:宮本百合子
コレート乾燥場などの絶え間ない鼓膜が痛むような騒音と闘って働いている男女、独特な
聴神経疲労を感じている電話交換手などにとって、ある音楽音はどういう反応をひき起す....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
出したのだ。 彼女は、眉を下げた。そしてその横暴な音響と闘って、言語を、私達の
聴神経まで届けるために、直ちに、可笑しいほどの努力に移った。 咽喉を紫にして、....
「運命のSOS」より 著者:牧逸馬
キャリフォルニアン号は、たった一人の技師しか乗せていなかった。おまけに、その船の
聴神経ともいう可き唯ひとりの無電技師は、丁度其の時寝台で熟睡していたのだ。と言っ....
「それから」より 著者:夏目漱石
きびん》を鳴らして急ぎ足に出て行った。宅《うち》のうちが静かなので、鋭どい代助の
聴神経には善く応《こた》えた。 代助はぼんやり壁を見詰めていた。門野をもう一返....