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「職分〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

職分の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
ではない。弁護を引き受ける以上は、その者の罪を軽くするように尽力するのが弁護士の職分だ」 甲者はますます不平に堪えざりき。渠は弁者を睨《げい》して、 「職分だ....
東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
こそ》ばゆい気もしたが、私には前から幾分そういう予感が無いわけでもなかった。狭い職分や交際範囲の中に同じような空気を呼吸して来た若い男女が、どのみち一組になりそ....
弓町より」より 著者:石川啄木
載《きさい》し報告するところの人でなければならぬ。 記載報告ということは文芸の職分の全部でないことは、植物の採集分類が植物学の全部でないと同じである。しかしこ....
新日本の進路」より 著者:石原莞爾
し、今日の部落程度の廣さを單位として一村を構成し、食糧を自給しつつ工業其他の國民職分を擔當する。所謂農工一体の体制である。しかして機械工業に例をとれば、農村の小....
演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
に由来するが、一般的なものは、演出者がいつもカメラの眼を背負って立っているという職分上の位置からくる。 ○カメラの眼の位置はすなわち観客の眼の位置である。 ○演....
空中墳墓」より 著者:海野十三
舞台へ現われて来て、いよいよ事件は白熱化したと思いました。私は一生懸命で天文台の職分を守り、又先生の御命令に弁じています。随分妙なくどき方ですが、これも今度の事....
自叙伝」より 著者:大杉栄
カ村の組合立で、その組合の会議というのがあったのだった。この組合会議が、往々その職分の経営のことを超えて、教育方針にまで差出口をするということは聞いていた。そし....
四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
れぬてな。尤も許しさえしたら、何も角も抛て置いて※々と帰るかも知れぬが、兎も角も職分だけは能く尽す。 颯と朝風が吹通ると、山査子がざわ立って、寝惚た鳥が一羽飛....
二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
しげた。 苦しき報告 「さあとは、何じゃ。即座に返答ができないとは、お前の職分に恥じよ」 大総督は、ハヤブサを面罵した。 「まことに重々恐れ入りますが、....
くろがね天狗」より 著者:海野十三
、まるで奉行も与力もないもののように大それた殺人をくりかえしてゆく。虎松も岡引の職分として、その辻斬犯人を探すためにたいへん忙しい思いをしていて、一日は愚か一刻....
巴里のむす子へ」より 著者:岡本かの子
非偉くなれとも私たちは決して言わなかった。ただ分相応にその道に精進すべきは人間の職分として当然のことであるとだけは言った。だのに、おまえはその本場の巴里で新画壇....
水の女」より 著者:折口信夫
戒をうけたらしい日である。田の作物を中心とする時代になって、村の神女の一番大切な職分は、五月の田植えにあるとするに到った。それで、田植えのための山入りのような形....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
に私は仏教を修めて居るもので、何の因縁がなくても人の困難を救わにゃあならぬほどの職分を持って居る。まして因縁あるのみならず、私はその人達より一方ならぬ深い恩を受....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
に達するほどの人の見解であります。そして利休は、これを口に唱えるばかりではなく、職分の上に実行してもいました。それで寸分も隙がありません。隙というものは、物事に....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
するが、同時に作戦以外の事に心を労する必要なき状態であらねばならぬ。全国民がその職分に応じ、国防のため全力を尽す如き組織であらねばならぬ。 以上陸、海の武力に....