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職業柄
「職業柄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
職業柄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
たと云い、猶刃物や毒薬の事に就いては医師の説を其のまま繰り返して耳に入れた、彼は
職業柄に似合わず打ち解けた男で、自分の意見を隠そうとせず「イヤ毒薬などの事は、来....
「ある抗議書」より 著者:菊池寛
」と、私は急き込んで訊きました。 「まあ! 行って御覧なさい。お気の毒です」と、
職業柄、こうした被害者を見馴れて居る刑事さえ、心から同情を表して居るようでありま....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
世にあっては再び現われるものでない。ところで油絵芸術はまだ末世でもあるまいと私の
職業柄いっておかなければ都合が悪いけれども、本当の事は、私にはわからない。 こ....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
世にあっては再び現われるものでない。ところで油絵芸術はまだ末世でもあるまいと私の
職業柄いっておかなければ都合が悪いけれども、本当の事は、私にはわからない。 ....
「投手殺人事件」より 著者:坂口安吾
た者があることを御存知でしたか」 「いいえ、それは知りませんでした。しかし、私の
職業柄、常に尾行する者あるを予期して、行動しております」 「なるほど、それで分り....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
かず眺めていたのは今村であった。彼とてもまだ三十の青年だった。通辞といえば、その
職業柄、そう堅くもない生活に通じ易いものではあるが、彼はこのように魅力の深い女の....
「独房」より 著者:小林多喜二
その隅の方で身体検査をされた。 「これは何んだ?」 袂を調べていた看守が、急に
職業柄らしい顔をして、何か取り出した。俺は思わずギョッとした。――だが、それはお....
「蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
。素人にはそれが何であるかちょっと判りかねるのでございますが、役人たちはさすがに
職業柄で、それは蜘蛛を入れるものであるということを知っていました。皆さんの中には....
「九代目団十郎の首」より 著者:高村光太郎
を通過し、国運第二の発展期たる日露戦争直前に生を終ったわけである。彼は俳優という
職業柄、明治文化の総和をその肉体で示していた。もうあんな顔は無い。之がほんとのと....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
商(象牙の)の家へ仕事に毎日行くんでしてね。その往復毎日北元町を通るんで、つい、
職業柄、お仕事の容子を覗いて見たような訳なんで……」 光明氏はちゃんと何もかも....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
男の国吉というのを養子にしたのですが、この子供が器用であって、養父の吉兵衛さんも
職業柄彫刻のことなどに心がある処から、国吉を私の弟子としたいと頼んで来たのであり....
「和製椿姫」より 著者:大倉燁子
どうでしょう? あなた、絶対に他言しないと誓ってくれますか?」 「それはもう私の
職業柄、他人の秘密をしゃべるような事はありませんよ」 彼は深くうなずいて、 「....
「美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
小夜子は夫松波博士の出勤を見送って茶の間に戻ると、一通の封書を受取った。裏にはただ牛込区富久町とだけ書いてある。
職業柄、こうした差出人の手紙は決して珍らしいことではないが、これは優しい女文字で....
「深夜の客」より 著者:大倉燁子
な紳士であるが、どういうものか洋子は彼を好まなかったので、ちょっと行き渋ったが、
職業柄理由なく断わるのもよくないと思い、午後四時四十分発の急行で、東京駅を立った....
「旃陀羅考」より 著者:喜田貞吉
聖日蓮深秘伝」の偽作者が、日蓮の父を穢人だとして、その団扇太鼓の起原をまでもその
職業柄に付会してみたり、「大日本史」以下の多くのものが、これをエタの子なりと云っ....