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「職能〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

職能の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
食魔」より 著者:岡本かの子
かった。何か一筋、心のしんになる確りした考え。何か一業、人に優れて身の立つような職能を捉えないでは生きて行くに危いという不安は、殊にあの心の底に伏っている焦々し....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
法律の重大な目的になっている。だから警察権はそれだけ、人命財産の保護という本来の職能からははみ出さねばならぬわけで、それは一応当り前な現象と云わなければなるまい....
火星探険」より 著者:海野十三
よいようれしくなって、張とネッドを紹介すれば、ギネも、そのうしろにひかえた六人の職能代表者を紹介した。 一同の間には、親しい気分が流れた。 「ああ、ギネさんと....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
である。――事実常識は、例えば学問・科学・真理・天才・独創・等々を、試み批判する職能を持っている。サタンは試みるもののことであり、メフィストは誘惑するもののこと....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
て今日に至っているが、俗語を採用することによって、哲学は初めてその日常的常識的な職能を果すことが出来る。カント哲学やヘーゲル哲学に於ける注意深く組織立てられた学....
かの女の朝」より 著者:岡本かの子
宜い。無口で鈍重な逸作が、対社会的な画作に傑出して居るのは、その部分が機敏に働く職能の現れだからである。逸作のこの部分の働きの原動力、それはあるときは画業に対し....
学生と読書」より 著者:倉田百三
ことのできるもの、これが理想的の読書青年である。 三 教養の読書と専門職能の読書 読書には人間教養のためのものと、社会において分担すべき職能のための....
戦争責任者の問題」より 著者:伊丹万作
義による解決の最も典型的な行き方は、人間による判断を一切省略して、その人の地位や職能によつて判断する方法である。現在までに発表された数多くの公職追放者のほとんど....
演劇の様式――総論」より 著者:岸田国士
用いられる一区域であることもある。 演出とは、舞台指揮と舞台整備とを含む技術的職能で、演出家と称する専門家がこれに当り、その指令の下に、舞台監督が整備、運営の....
純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
たる職分をつくす。その場合には価値尺度財の単位は貨幣の単位となる。価値尺度財たる職能と交換の媒介たる職能とは異る二つの職能であって、兼ねられていても、明らかに区....
役人の頭」より 著者:末弘厳太郎
論に対しては必ずや次のような非難がありうると思います。私の議論は全く国家の指導的職能を忘れていはしないかという疑間がすなわちそれです。しかし私はその点を忘れては....
歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
であったに拘らず、其が「何やらゆかし」の程度に止って、説明を遂げるまでに、批評家職能を伸べないうちに亡くなって行った。 ていぶるの 脚高づくゑとりかくみ、緑の陰....
クリティシズムと認識論との関係」より 著者:戸坂潤
品と作者との間を、諸文化領域の間を、相互に媒介するものが、クリティシズムに独特な職能であることを注目しよう。私は今一二の場合をとってこれの例証を与えることは出来....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
の地位は、外見のはなばなしさに比べると責任の軽いものであったが、エセックスはその職能を完全に演じた。戦線の後方で催物として行われた擬戦では、記録家によると、「武....
純情主義を想う」より 著者:小川未明
い程、思いあたるにちがいない。即ち科学の外に、芸術の存在を許容する所以だ。芸術は職能として、人生の複雑なる心理、環境と生活、社会と個人等を描くにある。体質に於て....