» 肉付

「肉付〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

肉付の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
に唆《そそ》りがちな、まるで繻子《しゅす》のようにキメの細かい、逞《たくま》しい肉付きの腰みたいに見えた。滝人は、もうどうすることもできず、見まいとして瞼《まぶ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
にべったりと貼り着いたようになって、容易に取れないのでございます。わたくしは昔の肉付き面を思い出して、俄かにぞっとしました。嫁を嚇かしてさえも、面が離れない例も....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
新しい光が雲を破り始める。物すさまじい朝焼けだ。あやまって海に落ち込んだ悪魔が、肉付きのいい右の肩だけを波の上に現わしている、その肩のような雷電峠の絶巓をなでた....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
者は三浦糸子と云った。可なり上背のある婦人で、クッションのように軟くて弾力のある肉付の所有者だった。銃丸は心臓の丁度真上にあたる部分を射って、大動脈を破壊してし....
「赤外線男」より 著者:海野十三
他人の眼に見えないだろうし、第一洋服店の前に立って、洋服を注文したところで、背丈肉付もわからなければ、店の方でも声ばかりするのでは驚いて、不思議な噂話がパッと拡....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
せるとひとを焦らすような唇が生き生きとついていた。胸から肩へ女になりかけの豊麗な肉付きが盛り上り手足は引締ってのびのびと伸びていた。真佐子は淑女らしく胸を反らし....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
頬が赫くなった。 何とむす子の一郎によく似た青年だろう。小柄でいながら確りした肉付の背中を持っていて、稍々左肩を聳やかし、細そりした頸から顔をうつ向き加減に前....
「海底都市」より 著者:海野十三
ほどの背丈の、ふしぎな顔をした人間に似た動物であった。 彼等の全身はまっ白で、肉付のわるい方ではなかった。 その顔は、頸のところがなくて肩の上にすぐついてい....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
火をつけた。 やがて和服を着た中年の婦人が、警官に伴われて入って来た。丸顔の、肉付の豊かであるが、顔色のすぐれてよくない婦人であった。年齢の頃は五十歳に二つ三....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
の襞の間から現われた。私は早速にポケットからオペラグラスをとり出して見ると、実に肉付きのよい美しい女の手で、その小指には大きいダイヤモンドが異様にかがやき、その....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
、横浜でも少しばかり稼いでいたことがあると本人自身は言っていた。細面で鼻の高い、肉付きのかなりいい、それで背のすらりとした、いかにも容姿のいい女で、髪の毛が少し....
「狂人日記」より 著者:井上紅梅
わたしはこの親爺が首斬役であるのを知らずにいるものか。脈を見るのをつけたりにして肉付を量り、その手柄で一分の肉の分配にあずかろうというのだ。乃公はもう恐れはしな....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
妙な線が、肩から腰にかけ波打っていて、孔雀は肥った胸を拡げ、逞ましいしっかりした肉付の腰を張って、夢幻の寵妃を、その人であるかの如く、演じて行くのである。そして....
「恨みの蠑螺」より 著者:岡本綺堂
で、すぐれた美人というのではないが、目鼻立ちの整った清らかな顔の持主で、背格好も肉付きもまず普通であった。船宿などに奉公する女であるから、どこか小粋でありながら....
「仲々死なぬ彼奴」より 著者:海野十三
になるというのに、腰一つ曲らず、流石に頭髪だけは霜のように真白になっては居るが、肉付は年増女房を思わせるほど豊満で、いつも赭顔をテラテラさせているという、怖るべ....