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「肉刺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

肉刺の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
現代日本の開化」より 著者:夏目漱石
すれば、どうしても己を棄てて先方の習慣に従わなければならなくなる。我々があの人は肉刺《フォーク》の持ちようも知らないとか、小刀《ナイフ》の持ちようも心得ないとか....
虞美人草」より 著者:夏目漱石
だ。君のも同様かい」 「まあ似たもんだ。君と僕の違ぐらいなところかな」と宗近君は肉刺《フォーク》を逆《さかしま》にして大きな切身を口へ突き込む。 「御互に豚をも....
血の文字」より 著者:黒岩涙香
のと余等二人は近辺の料理屋に入たるが二人とも朝からの奔走に随分腹も隙きし事なれば肉刺、小刀を我劣じと働かせながらも様々の意見を持出し彼是と闘わすに、余も目科も藻....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
ちゅう者は歩きつけねえから旅へ出ると意気地はねえ、私も宿屋にいますが、時々客人が肉刺エ踏出して、吹売に糊付板を持って来うてえから、毎でも糊板を持って行くだが、足....
芝刈り」より 著者:寺田寅彦
の鋏で丁寧に一尺四方ぐらいの部分を刈りひらいて、人差し指の根もとに大きなかわいい肉刺をこしらえていた。 いろいろの時刻にいろいろの人が思い思いの場所を刈ってい....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
との食卓で、伊太利バムウスを舐めて、赤|茄子入りのスパゲテは、いったいいかにして肉刺しへ巻きつけて、どうしたら一本の大匙の補助だけで最も能率的に口へ送り込むこと....
十二支考」より 著者:南方熊楠
が、盗んだと白状せずに死んだ。一年余りして職人に屋根を修理せしむると、失うた金の肉刺しが石に落ちて鳴った。全く誰もいない内に来た猫が肉とともに盗み去ったものと分....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
はそれほど荒れているのだ。それで二日もやっていると、鎌を持つ右の手の薬指の附根に肉刺をこしらえてしまった。 鶴見は元来若い時には老父の手助けになって、庭の整理....
南国太平記」より 著者:直木三十五
って、今朝、早立したあっしが、馬で急ぎゃあ、ここで追っつけるんだ。旅の初日に出た肉刺《まめ》は、二日や、三日で癒らねえし、その脚じゃあ、今日、当り前なら六里歩け....
平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
の合図の鐘が鳴って、一同の後につづいて食堂に入ると、食卓《ターブル》の上には銀の肉刺《ハーカ》や匙《レーブル》が美しく置かれ、花を盛った瓶をところどころに配置し....
墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
た気持の時では、もう何の興味でも好奇心でもありません。夢見心地でぼんやりと私は、肉刺のできた足を引き摺っていましたが、その姿が哀れだったのかも知れません。 「ど....
かもめ」より 著者:神西清
。ま赦してください、暇がないんです。……(笑う)あなたはね、世間で言う「人の痛い肉刺」を、ぐいと踏んづけなすった。そこでわたしは、このとおり興奮して、いささか向....