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「肉屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

肉屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
味なほど痩《や》せた少年だった。のみならずはにかみ易い上にも、磨《と》ぎ澄ました肉屋の庖丁《ほうちょう》にさえ動悸《どうき》の高まる少年だった。その点は――殊に....
年末の一日」より 著者:芥川竜之介
引いた男が一人、楫棒《かじぼう》に手をかけて休んでいた。箱車はちょっと眺めた所、肉屋の車に近いものだった。が、側《そば》へ寄って見ると、横に広いあと口に東京|胞....
寒さ」より 著者:芥川竜之介
もした。幸い踏切りの柵《さく》の側に、荷をつけた自転車を止めているのは知り合いの肉屋の小僧だった。保吉は巻煙草《まきたばこ》を持った手に、後《うし》ろから小僧の....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
しそのお景物の口から七兵衛は一つの手がかりを見つけ出した。それは長三郎の近所の獣肉屋へときどきに猿や狼を売りにくる甲州辺の猟師が、この頃も江戸へ出て来て、花町辺....
とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
なんです。で、そんな場合には少し神経の春めいた男でしたなら、なんの事はないまるで肉屋の賄板を掃除するだけの誠意さえあれば事は足りるんですが、一旦轢死者が、機関車....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
に松田という料理屋がある。それを筆頭として天ぷら屋の大新、同じく天虎、藪蕎麦、牛肉屋の古川、鳥屋の大黒屋ぐらいに過ぎず、西側では料理屋の千歳、そば屋の福寿庵、横....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
杉先生などよりなお先に、一輪、大きく咲いたという花形の曙女史と聞えたは、浅草の牛肉屋の娘で――御新客、鍋で御酒――帳場ばかりか、立込むと出番をする。緋鹿子の襷掛....
幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
めのために、神さまのおめぐみを祈っていました。 それから、肉でいっぱいつまった肉屋の店を、四つんばいになってはいあるきました。ここは肉ばかりでした。どこまでい....
旅なかま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
まいて、幕のあくのを待つさいちゅうでした。ところで、いちばんまえの席は、ふとった肉屋のおやじが、ひとりでせんりょうしていましたが、それがまた最上の席でもあったで....
中支遊記」より 著者:上村松園
門衛の支那兵を思い出したりした。 杭州にて 杭州では西冷印社という印肉屋に朱肉を見に行ったりした。少し茶色がかった朱肉などもあった。 西湖に姑娘が....
不吉の音と学士会院の鐘」より 著者:岩村透
がある。つまりセインス街に通ずるブルバーセンゼルマンという道路で、私は六十六番の肉屋の二階にいたが、この店の目的とする下宿屋の番号さてそれはよく解らない。しかし....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
ラブラし、時刻は最う八時を過ぎて腹の虫がグウグウ鳴って来たが、なかなかそこらの牛肉屋へ入ろうといわない。とうとう明神下の神田川まで草臥れ足を引摺って来たのが九時....
斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
では緑雨は貧乏咄をしても黒斜子の羽織を着ていた。不味い下宿屋の飯を喰っていても牛肉屋の鍋を突つくような鄙しい所為は紳士の体面上すまじきもののような顔をしていた。....
革命の研究」より 著者:大杉栄
って、その思想がいろいろと分れていた。六月二十日に民衆をテュルリー宮殿に走らした肉屋のレジャンドルも、王を廃するということは夢にも考えなかった。王はその槍の下に....
ペスをさがしに」より 著者:小川未明
ペスがいるじゃないか。」と、ふいに政ちゃんが、指さしました。見ると、なるほど、牛肉屋の前に白い毛に日の丸の斑のはいった、ペスそっくりの犬がいました。 「ペスかし....