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「肉弾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

肉弾の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
将軍」より 著者:芥川竜之介
ら、うっとり空へ眼をあげた。そうして今夜は人後に落ちず、将軍の握手に報いるため、肉弾になろうと決心した。…… その夜《よ》の八時何分か過ぎ、手擲弾《しゅてきだ....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
、同じくじりじりと砂の上におろされましたので、さっと軍配が引かれるといっしょに、肉弾相打って国技の精緻《せいち》が、いまやそこに現出されんとした瞬間――まことに....
人造人間殺害事件」より 著者:海野十三
こ》うた。 「よおし、そうこなくちゃならないんだった。恐ろしいことだが、僕たちが肉弾を以ってぶつかる目標が定《きま》っただけ、心残りがしなくていい。では同志、お....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
参謀たちは、勇敢に、彼等に、飛びかかっていった。咄嗟の場合とて、ピストルよりも、肉弾が物を言った。 大格闘の末、五人の者は、捉えられた。しかし肝心の贋司令官の....
田原坂合戦」より 著者:菊池寛
居る。これが、警視庁から派遣されて居た巡査をもって編成した抜刀隊で、この抜刀隊の肉弾戦が、田原坂攻略に大きな役割を果したのであった。不意の吶喊に薩軍の周章るのを....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
なる。……生きる意りで働いては駄目だ! 死ぬ決心でやっつけてやろう! こうなれば肉弾だ! 生命を棄てて相手を切ろう! ……おおおお集まって来おったでは叶わない。....
未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
「はあ、人間地下戦車は、そんな昔に、あったのですか」 「うむ。いくら、わが軍が、肉弾でもって、わーっと突撃していっても、敵のうち出す機関銃で、すっかりやられてし....
流線間諜」より 著者:海野十三
ので、たいへん勝手が悪い。といって愚図愚図していると更に不利になるので、彼は遂に肉弾戦に訴えることにした。まず割合近くにいる「右足のない梟」を覘うことにし、射撃....
空襲警報」より 著者:海野十三
いのだ。上から真逆落しに敵機へぶつかって組みあったまま燃落ちるもの――壮烈な空の肉弾戦だ。 敵の陣形はすっかり乱れた。 舵をかえして、太平洋の方へ逃出すもの....
怪奇人造島」より 著者:寺島柾史
「やるか!」 縮毛の大男と、若い水夫とが、野獣のような唸きを立てて、たちまち、肉弾相搏つ凄まじい格闘をはじめた。慾の深い水夫たちは、二人の勝敗|如何にと、血眼....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
軍は、参戦以来、主力をイゾンゾに注いで、大規模な攻撃を開始した。しかし、費やした肉弾と、砲弾の量にもかかわらず、わずかイゾンゾ河の下流で国境を越えたにすぎなかっ....
明治の戦争文学」より 著者:黒島伝治
はあるまい。 第四章 日露戦争に関連して ─花袋の「一兵卒」、忠温の「肉弾」、龍之介の「将軍」 日清戦争当時のブルジョアジーは、既に解放される階級で....
わが童心」より 著者:佐藤垢石
豊情豊彩のわが山川草木に、他人の一指も触れさせないために、決死斬込隊も出た。特攻肉弾の勇士も出た。つまり言い換えれば、決死隊も特攻隊も、わが山川草木が生んだこと....
雷嫌いの話」より 著者:橘外男
出ずるのを、禁じ得ない。 今の世代の読者には親しみのない名かも知れないが、昔「肉弾」という本を書いた桜井忠温という有名な陸軍少将があった。どうせ少将なら、髭で....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
飛沫をあげあげ、 すばらしい海獣の群、膃肭獣の成牡(ブル)の水雷、黒褐の無数の肉弾。 千頭、二千頭、三千頭、五千頭、 と、 飛んだ、 宙に大きく近く、....