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「肉林〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

肉林の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人間失格」より 著者:太宰治
るからでもありましたが、 「よし、そんなら、夢の国に連れて行く。おどろくな、酒池肉林という、……」 「カフエか?」 「そう」 「行こう!」 というような事にな....
狂人は笑う」より 著者:夢野久作
る……尤もこれは無理もない話でしょう。支那人一流の毒々しいエロと、バクチと、酒池肉林式の正月気分に、ウンという程|飽満したアトの富豪連ですから、そうした脱俗的な....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
野の客星たちは、他より早く、輝いて顕われる。輝くばかりで、やがて他の大一座が酒池肉林となっても、ここばかりは、畳に蕨が生えそうに見える。通りかかった女中に催促す....
娯楽論」より 著者:戸坂潤
その場合の問題の要点は快楽ではなくて幸福にあるのが恒で、エピクロスの園は実は酒池肉林の快楽の園ではなくて、幸福な賢者達の典雅な文化的社交界であったのだ。娯楽が近....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
やまがたげんすい》でさえ徹宵ダンスをしたり、鎗踊《やりおど》りをしたという、酒池肉林《しゅちにくりん》、狂舞の時期があった。吉原|大籬《おおまがき》の遊女もボン....
丹下左膳」より 著者:林不忘
渡って、はなれに唄声《うたごえ》がわいた。 杯盤狼藉《はいばんろうぜき》酒池肉林《しゅちにくりん》――というほどの馳走でもないが、沢庵《たくあん》の輪切りに....
現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
に見えるが、裏へまわれば、裏口営業もあるし、巡査はボスの手先をつとめ、税吏は酒池肉林の楽しみをつくす。地頭や代官、岡ッ引と変らない。大名会議の席上、大名の一人が....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
混合という点では、パンパン泥棒の類いよりも、役人連の公然たる収賄、役得による酒池肉林の方が、はるかに異常、亡国的なものであると云い得る。 清朝末期に「官場現形....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
でも、たび重《かさ》なればいやになる。食物だけのことを望めば、人間はいかなる酒池肉林《しゅちにくりん》に入《い》れても永く満足はせぬものである。 人間には絶対....
人生三つの愉しみ」より 著者:坂口安吾
のは賀すべきことではないようだ。そのバカらしさを痛感することもあるのだ。 酒池肉林というような生活に堪えられる人はいないであろう。ネロが時に詩人によって愛され....
日本男子論」より 著者:福沢諭吉
。これを喩《たと》えば、大廈《たいか》高楼の盛宴に山海の珍味を列《つら》ね、酒池肉林《しゅちにくりん》の豪、糸竹《しちく》管絃の興、善尽し美尽して客を饗応するそ....
三国志」より 著者:吉川英治
て、学人の退屈をおなぐさめいたそう」 「酒宴は真っ平だ。貴公らの眼や口には、酒池肉林が馳走に見えるか知らんが、わしの眼から見るとまるで芥溜めを囲んで野犬がさわい....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
随筆になりそうだ。鎌倉の久米先生、今先生、小島先生などみな来たって文字どおり酒池肉林の煩悩を医せられた由を、牛鍋に青葱を入れながらここの仲居さんたちがおうわさす....