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肉欲
「肉欲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
肉欲の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
を虫ばむべき男というものに、求めずにはいられないディレンマに陥ってしまったのだ。
肉欲の牙《きば》を鳴らして集まって来る男たちに対して、(そういう男たちが集まって....
「或る女」より 著者:有島武郎
はしなくなった。二人《ふたり》は、はた目には酸鼻《さんび》だとさえ思わせるような
肉欲の腐敗の末遠く、互いに淫楽《いんらく》の実《み》を互い互いから奪い合いながら....
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
考えが起ってきた。すなわち人間が千載青史に列するを得んというのは、まことにこれは
肉欲的、不信者的、heathen《ヒーゼン》 的の考えである、クリスチャンなどは....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
ついて離れないのです。ああお憤《いか》りになってはいけませんわ。現在の十四郎との
肉欲世界も、時江さんのような骨肉に対する愛着も、みんな貴方が、私からお離れになっ....
「さようなら」より 著者:田中英光
あるのと、ぼくの若い潔癖さから、肉体の快楽を慎んでいたが、リエの場合は、中年男の
肉欲に対する強い信仰があり、それから結ばれてゆき、お互いが自分たちの肉体の適応性....
「野狐」より 著者:田中英光
恥ずかしい過去を語り、流涕し、しかも歓喜して私の身体を抱いた。私は生れて初めて、
肉欲の喜びを知ったと思った。彼女がいっさい、包まず、自分の過去を語ったと思ったの....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
猪を狩りに行く。捕えて来た獲物を下物としては男女打ち雑っての酒宴を開く。恋の季節
肉欲の季節また平和の季節でもあった。そしてまた怠惰の季節でもあった。 雪は毎日....
「岡本一平論」より 著者:岡本かの子
。それ故か、少青年期間に於ける氏は、かなりな美貌の持主であったにかかわらず、単に
肉欲の対象以上あまり女性との深い恋愛関係などは持たなかった相です。熱烈な恋愛から....
「貞操の幅と限界」より 著者:坂口安吾
は、現実的な力で、女は根柢的な現実家である。 娘がヤミの女になったりするのも、
肉欲的な衝動よりも、冒険とかヤケとか腹いせとか境遇とか気質的な諸要素によるのが多....
「絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
と云う訳を聴いて貰いたいのさ」 お筆が洩らした「釘抜」という言葉の意味は、あの
肉欲世界と背中合わせになっていて、時には其処から鬼火が燃え上ろうし、また或る時は....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
たのであろう。四本の腕がからみ合い、二つの顔が近寄って行く。
と、この怪しくも
肉欲的の、それでいて静的のたたずまいを破って、叱咤するようないかめしい声が、一所....
「地上」より 著者:島田清次郎
教養と、天稟のしとやかな寂しいうちに包んだ凛然たる気象は、彼女をただのくだらない
肉欲の犠牲者とのみはしておかなかった。芸ばかりで立ってみせる、ひとかどの名妓とな....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
しまっている。煙筒、鉄橋、亜鉛張りの屋根、瓦の砂漠、――そして疲れた職工――その
肉欲を充たすための娼妓と売淫婦、すべてが倦怠ですべてが革命的神経衰弱に患っている....
「何を作品に求むべきか」より 著者:小川未明
派の芸術家があるとする。彼等は、幾多の女と関係したことを書く。淫蕩な事実を描く、
肉欲を書き、人間の醜い部分と、そして、自分達、即ちブルジョア階級がいかにして快楽....