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「肉片〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

肉片の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
そばの金の停り木にとまっていた青い鸚鵡の方を向いて、フォークの尖につきさした赤い肉片をさしだした。 飢えた鸚鵡は、それを見るより早く嘴を開いて肉片にとびついた....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
ども何よりの証拠は左の手先の肉を、骨へまで死人に噛み取られて居て、死人の口に在る肉片と其の手の傷と同じ者で有った上幾多の似寄った証拠が有った為言い開きは立たず、....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
(小学校用の粗雑な画学紙を不器用に網糸でつづったそれ)と一本の鉛筆とを、魚の鱗や肉片がこびりついたまま、ごわごわにかわいた仕事着のふところにねじ込んで、ぶらりと....
人間灰」より 著者:海野十三
入っている異様な赤黒い物こそ、今日私が北岸へでかけて採集してきた七人目の犠牲者の肉片です) 田熊社長は、電話で話は盗めても、その人肉の入った壜を盗視できないこ....
とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
と、そいつで鼻の下の煤を綺麗に拭き取ったんです――これが、機関車の車輪に轢死者の肉片が引ッ掛っていた場合の、杉本の一種の合図、と言いますか、まあ、癖なんです。一....
蟹工船」より 著者:小林多喜二
立ち代り雑作なく使い捨てた。鼻紙より無雑作に! 「マグロ」の刺身のような労働者の肉片が、坑道の壁を幾重にも幾重にも丈夫にして行った。都会から離れていることを好い....
土鼠と落盤」より 著者:黒島伝治
上った。 生ぐさい血に染った土が薄気味悪く足に触れた。小間切を叩きつけたような肉片や、バラ/\になった骨や肉魂がそこらに散乱していた。吹き飛ばされると同時に、....
カンカン虫殺人事件」より 著者:大阪圭吉
れた胸部には、丁度心臓の真上の処に、細長い穴がぽっかり開いて、その口元には、白い肉片がむしり出ていた。 『メスで突き刺したんだね。これが致命傷なんだよ。』 喬....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
。ところが、亭主の八住ときたら、いつも精神的な澄まし汁みたいなもので、その中には肉片もなければ、団子一つ浮いちゃいないんだ」 「なるほど、そうなるかねえ」 と....
アイヌ神謡集」より 著者:作者不詳
も体の大きなものであったが, この様な悪戯を私がしたために オキキリムイの一つの肉片ほど小さくなったのです. これからの私たちの仲間はみんなこの位の からだにな....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
口へ持って行って噛み付いたが、生肉の味とは似ても似つかぬ微妙な味に驚いたか、その肉片を握ったまま彼の仲間へ飛んで行き、忙がしく何か喋舌り出した。と一斉に人猿ども....
或る部落の五つの話」より 著者:佐左木俊郎
縁として、藤原平三の猟犬ジョンの頭を硫酸にて焼き、約二週間の後には、黄燐を塗った肉片を与えてその猟犬を死に到らしめるなど、一つとして、神を信ずるという迷信を遠ざ....
恐ろしき贈物」より 著者:小酒井不木
。窓硝子、姿見鏡、壁板、額、その他の器具は、粉微塵に砕かれて、その間に血に塗れた肉片が散乱していた。死体検査が済んで、死体を署へ運ばしめてから、部下のものは、捜....
狂女と犬」より 著者:小酒井不木
って、その日の食うものにも困るようになりました。白は殊勝にも、村の居酒屋などから肉片を貰って来ては、お蝶さんに喰べさせるのでありました。村人も非常に同情して、野....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
うか。 だが、片々に粉砕されたとはいえ、あのパルプの薄紅い光沢の木っ羽が、木の肉片がこのもこもことした、軟柔かな、粘りの酸っぱい、繊維の、一種の木の練り粕にた....