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「肉瘤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

肉瘤の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
形で、左右ともに、二つ目の関節から上が欠け落ちていて、拇《おや》指などは、むしろ肉瘤といったほうが適わしいくらいである。それから下肢になると、右足は拇指だけを残....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
の拡張を図ろうとした。都下砂村の有名な金魚飼育商の秋山が蘭鋳からその雄々しい頭の肉瘤を採り、琉金のような体容の円美と房々とした尾を採って、頭尾二つとも完美な新種....
青草」より 著者:十一谷義三郎
女が訊いた。それには答えないで、弟は力限り漕いだ。彼の肩から二の腕へかけて真白な肉瘤が盛り上りその上に汗がいちめんに滲んでいた。舟は彼のからだとともに劇しく揺れ....
越後の闘牛」より 著者:佐藤垢石
はじまるのだ。東の口から曳きだされてきたのが、塩谷村の甚六牛である。茶色で、肩の肉瘤隆々として盛り上がり、目方は二百貫近くもあろうか。 堂々として逞しい。内に....
わが童心」より 著者:佐藤垢石
や山畠は掌の如く小さく候えども、これが小生の農園に御座候、既に鍬執る小生の腕には肉瘤の盛り上がるを見申し、嶺や麓の新緑を眺めながら、これからは一層増産に励まんか....
増上寺物語」より 著者:佐藤垢石
寺の庫裏を二人の若い武士が襲った。二人とも、麻の草鞋に野袴、革の襷を十字にかけた肉瘤盛り上がった前膊が露である。笠もない、覆面もしない。 経机の上へ悠然と腰を....