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肉色
「肉色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
肉色の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
指だけを残して、他の四本ともペッタリ潰《つぶ》れたような形になっていて、そこは、
肉色の繃帯をまんべんなく捲きつけたように見えるが、左足はより以上|醜怪《グロテス....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
失礼します。」と碗を手にする。 「お待ちなさいまし、煮詰りはしませんか。」 と
肉色の絽の長襦袢で、絽|縮緬の褄摺る音ない、するすると長火鉢の前へ行って、科よく....
「爬虫館事件」より 著者:海野十三
です」 副園長の声に、はッと目をあげると、そこにはいかにも暖室らしい感じのする
肉色の丈夫な建物が、魅惑的な秘密を包んで二人の前に突立っていた。 3 ....
「蠅男」より 著者:海野十三
ちに遂に手術台の上の糊本の身体は、見るかげもなく小さく縮められた。まるで首の下に
肉色の男枕をくくりつけたような畸形人間となり果てた。なんという無慚な浅ましい姿に....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
って、再び復一と睨み合った。少女の泣顔の中から狡るそうな笑顔が無花果の尖のように
肉色に笑み破れた。 「女らしくなれってどうすればいいのよ」 復一が、おやと思う....
「河明り」より 著者:岡本かの子
ち、ハレーションを起しつつ、悠久に蒼海を流れ行く氷山である。そのハレーションに薄
肉色のもあるし、黄薔薇色のもある。紫色が爆ぜて雪白の光茫を生んでいるものもある。....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
更けて、天地は黒い塀を四壁に立てたように静まり閉すにつれ、真向うの池の端の町並の
肉色で涼しい窓々の灯、軒や屋根に色の光りのレースを冠せたようなネオンの明りはだん....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
、蜀葵やひるがおのあいだにアカシヤがたっている。水は、一面に瑠璃色の百合をうかべ
肉色のペリカンが喧ましい声で群れている。マヌエラは、こんな楽園が荒野のなかにある....
「独本土上陸作戦」より 著者:海野十三
※ 4 ……と見えたが、驚くことはない、実は金博士が右脚に履いていた
肉色の超長靴が、すぽんと抜けて、ゴンゴラ将軍の手に残っただけのことであった。 「....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
と、すぐ敷居際に――ここに今見ると同じ、支膝の七分身。紅、緋でない、水紅より淡い
肉色の縮緬が、片端とけざまに弛んで胸へふっさりと巻いた、背負上の不思議な色気がま....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
く、丸ポチャの愛くるしい顔にはどことなく気品が備わって居り、白練の下衣に薄い薄い
肉色の上衣を襲ね、白のへこ帯を前で結んでだらりと垂れた様子と言ったら飛びつきたい....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
よって、彼女はさらに最後の魅力を示していました。青白い彼女の頬、やや光沢のあせた
肉色のくちびる、下に垂れた長いまつげ、白い皮膚にきわだって見えるふさふさした金色....
「不周山」より 著者:井上紅梅
れた臂を伸ばして、天に向かって大きな欠伸をした。天空はたちまち一変して、不思議な
肉色に変り、暫くの間は、彼女がいるところさえも判らなくなった。 彼女は、この肉....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
。帯が、もう弛んでいる。さみしい好みの水浅葱の縮緬に、蘆の葉をあしらって、淡黄の
肉色に影を見せ、蛍の首筋を、ちらちらと紅く染めた蹴出しの色が、雨をさそうか、葉裏....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
はいろいろの木の板を紐で綴って、お扇子にこさえたのです。その木の板はみんな薄紅い
肉色でみんないいにおいがしています。黒とど、赤とど、えぞまつ、おにぐるみ、たも、....