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「肌着〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

肌着の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
心中浪華の春雨」より 著者:岡本綺堂
園はどう工面《くめん》したか二両の金を餞別にくれた。それから自分が縫ったといって肌着をくれた。 もう決心はしたものの、六三郎はやっぱりお園に別れるのが辛かった....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
茶をすすめた。こうしているうちに、ある日ひとりの若い女が来て水を求めた。女は碧い肌着に白い着物をきていた。 「わたくしはここから十余里の南に住んでいた者ですが、....
単独行」より 著者:加藤文太郎
湿気の多い風と雪は、信州の山では完全な防水布の手袋や防寒具をわけなくしめらせて、肌着まで濡れてきた。手もそろそろ感覚が無くなり出したし、吹きつける雪が顔の表面を....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
に店員が集って、見舞物の握飯や海苔巻を頬張ったり鯣を焼いたりしていた。メリヤスの肌着と股引の上に外套を引掛けた焼出された宿直の一人が、富田の店員が三人屋根伝いに....
爆薬の花籠」より 著者:海野十三
あたたかい同情につつまれて、涙をもよおした。 手まわり品や、菓子や、それから、肌着や服までもらったのである。そぞろ情が身にしみる。 だが、その一方において、....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
身じまいをする事ったら、髪も朝に夕に撫でつけて、鬢の毛一筋こぼしていた事はない。肌着も毎日のように取替えて、欠かさずに湯に入って、綺麗にお化粧をして、寝る時はき....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
武家の女性たちは、拷問の笞、火水の責にも、断じて口を開かない時、ただ、衣を褫う、肌着を剥ぐ、裸体にするというとともに、直ちに罪に落ちたというんだ。――そこへ掛け....
星の銀貨」より 著者:楠山正雄
たどり着きました。もうくらくなっていましたが、また、もうひとりこどもが出て来て、肌着をねだりました。あくまで心のすなおな女の子は、(もうまっくらになっているから....
鐘ヶ淵」より 著者:岡本綺堂
御徒士の者はみなそれだけの用意をしていた。択み出された三人は稽古着のような筒袖の肌着一枚になって、刀を背負って、額には白布の鉢巻をして、草の青い堤下に小膝をつい....
六羽の白鳥」より 著者:楠山正雄
休まりませんでした。おだまきが手にはいると、さっそく、この女は、白い絹でちいさな肌着をつくりました。それから、かねがね、母親から魔法の術をならっておいたので、こ....
茶屋知らず物語」より 著者:岡本かの子
で二人は連れ立って茶屋探険に出かけました。 襟の合せ目から燃えるような緋無垢の肌着をちらと覗かせ、卵色の縮緬の着物に呉絽の羽織、雲斎織の袋足袋、大脇差、――ざ....
豆腐買い」より 著者:岡本かの子
っている。持つかと思うと不器量で逃げられる。母親の手一つでやる素人洗濯だが西洋の肌着のことゆえ蝋引だけは専門家同様しなくてはならない。それで狭い土間に一ぱいの火....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
の名調子で朗々と勧進帳をよみ上げる声がきこえる。この幕が下りると、わたしは自分の肌着がぐっしょりと汗にぬれているのに気がついた。 中幕は左団次の出しもので「鳥....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
つまり番をして居るのです。そこにお婆さんと娘が居ってそこへ泊り込んだ。その翌日は肌着を綴りなどして一日を過しそれから十月十六日また沼の原を東に進んで行きました。....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
彼等は急にそうなった慧鶴に対してひどく反感を持ち始めた。 ある日慧鶴は井戸端で肌着を洗濯して居た。其処へ飛脚が来て肌着に添えた駿河からの母親の手紙を一本と、序....