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肘
「肘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
肘の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
太刀が宙におどって、もう一人の侍の太刀を、ちょうと下から払ったと見る間に、相手は
肘《ひじ》をしたたか切られて、やにわに元《もと》来たほうへ、敗走した。それを次郎....
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
に、「どうぞ御ゆっくり。あすこに椅子《いす》もありますから」と言った。成程二脚の
肘《ひじ》かけ椅子は黒ずんだ縁側《えんがわ》に並んでいた。が、それ等は腰の高い、....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
い。」
彼は心の中でこう叫びながら、いまいましそうに原稿を向うへつきやると、片
肘《かたひじ》ついてごろりと横になった。が、それでもまだ気になるのか、眼は机の上....
「母」より 著者:芥川竜之介
れ途切れに続き出した。
「おい。敏子《としこ》。」
半ば体を起した男は、畳に片
肘《かたひじ》靠《もた》せたまま、当惑《とうわく》らしい眼つきを見せた。
「お前....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
をふり返った。
「莫迦《ばか》な。あの女は友だちの囲いものなんだ。」
和田は両
肘《りょうひじ》をついたまま、ぶっきらぼうにいい放った。彼の顔は見渡した所、一座....
「影」より 著者:芥川竜之介
横浜《よこはま》。
日華洋行《にっかようこう》の主人|陳彩《ちんさい》は、机に背広の両
肘《りょうひじ》を凭《もた》せて、火の消えた葉巻《はまき》を啣《くわ》えたまま、....
「河童」より 著者:芥川竜之介
が早いか、たちまち往生してしまいましたが。
僕はある月のいい晩、詩人のトックと
肘《ひじ》を組んだまま、超人倶楽部から帰ってきました。トックはいつになく沈みこん....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
の声を洩《も》らした。見ると小犬のいた所には、横になった支那人が一人、四角な枕へ
肘《ひじ》をのせながら、悠々と鴉片《あへん》を燻《くゆ》らせている! 迫った額、....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
とんど、比喩《ひゆ》を絶した、微妙な色調を帯ばしめる。自分はひとり、渡し船の舷に
肘《ひじ》をついて、もう靄《もや》のおりかけた、薄暮の川の水面《みのも》を、なん....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
長火鉢の前に坐っていた。そうしてその前には姉のお絹《きぬ》が、火鉢の縁《ふち》に
肘《ひじ》をやりながら、今日は湿布《しっぷ》を巻いていない、綺麗《きれい》な丸髷....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
る。が、それらのすべてよりも本間さんの注意を惹《ひ》いたものは、向うのテエブルに
肘《ひじ》をついて、ウイスキイらしい杯を嘗《な》めている、たった一人の客であった....
「葬儀記」より 著者:芥川竜之介
覚えている。
それから、何がどうしたか、それは少しも判然しない。ただ久米が僕の
肘《ひじ》をつかまえて、「おい、あっちへ行こう」とかなんとか言ったことだけは、記....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
私には到底当時の私の位置を、再現するだけの勇気がございません。私は思わず、友人の
肘《ひじ》をとらえたなり、放心したように往来へ立ちすくんでしまいました。その時、....
「運」より 著者:芥川竜之介
巧《たく》みをけどられなどしては大変だと思ったので、しぶしぶ皮匣《かわご》の上に
肘《ひじ》をつきながら心にもない世間話をはじめました。どうも話の容子《ようす》で....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ときだけである。一同の歓声がしずまり、ふたたび静粛になったとき、彼は片腕を椅子の
肘にもたせかけ、もう片腕を腰にあて、わずかではあるが、まことに偉そうに頭を動かし....