肘掛[語句情報] » 肘掛

「肘掛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

肘掛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
て、わざわざ音羽の方から尋ねて来たのだ」 この押し問答のうちに、入口にむかった肘掛け窓をほそ目にあけて、竹格子のあいだから表を覗いていたらしい一人の男が、大小....
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
は噪ぎ、影は踊る。 すてきに物干が賑だから、密と寄って、隅の本箱の横、二階裏の肘掛窓から、まぶしい目をぱちくりと遣って覗くと、柱からも、横木からも、頭の上の小....
深夜の市長」より 著者:海野十三
は衣服の上から露わに女の全裸身を感じた。そこは一台の円い卓子と二脚の壊れかかった肘掛椅子とがあるっきりの、実にお粗末な小室だった。 「お前さんは、割合に尤もらし....
蠅男」より 著者:海野十三
彼はその部屋を出て、北側にある洋間の扉を開いて躍りこんだ。しかしそこにも卓子や肘掛椅子が静かに並んでいるだけで、別に糸子が隠れているような場所も見当らなかった....
死の快走船」より 著者:大阪圭吉
も掛っております」 「有難うございました」 東屋氏は紙巻に火を点けて、ソファの肘掛けに寄り掛った。 恰度この時電話室の方でベルが聞え、やがて女中がやって来た....
すり替え怪画」より 著者:海野十三
だろう」 伯爵は、一旦発見したものを打消しながら、その名画の向い側においてある肘掛椅子のところまで歩いていって、くるっと廻れ右をして椅子に腰を下ろした。そして....
見えざる敵」より 著者:海野十三
だって首領。あの楊博士と来た日にゃ……」 「うるさい。黙ってろ」 ウルスキーは肘掛椅子からバネ人形のようにとびあがって、喫いかけの葉巻を力一杯|床にたたきつけ....
地球要塞」より 著者:海野十三
けであった。 私は、古ぼけた籐椅子《とういす》に、背をもたせかけた。それから、肘掛《ひじかけ》の裏をさぐって、釦《ボタン》を指先でさぐった。番号の4という釦を....
怪塔王」より 著者:海野十三
動きません。 4 怪塔王は、塔の一番上の部屋の中に、どっしりと据えた肘掛椅子にうずくまって、向こうを向いています。 「あっはっはっ。なにをしたって、....
貞操問答」より 著者:菊池寛
すかどうですか!」 綾子夫人は、新子の最後の言葉を聞くと、サッと顔色を変えて、肘掛椅子から立ち上ると、 「では、どうぞご自由に。」と切口上だった。 新子が出....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
った。万国地図と海図との懸かった、一方の壁へ背を向けて、背革紫檀の古風で寛濶な、肘掛椅子に腰をかけ、嘉右衛門はバラードを弾いている。六十歳ぐらいの年齢でもあろう....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
花の香が窓を通して室の中いっぱいに拡がっていた。その室でレザールとダンチョンとは肘掛椅子に腰かけたまま軽い朝飯をしたためた後、おりから配達された新聞をこうして読....
奇巌城」より 著者:菊池寛
の階段をのぼった。そして恐る恐る扉を開けた。この室は他の室とは違っている。壁には肘掛の布があり、床には絨氈が敷いてある。立派な食器を入れた二つの大きな戸棚がおか....
」より 著者:カフカフランツ
内庭からくるのだろうが、青白い雪明りが射しこんできて、部屋の隅の奥深くの背の高い肘掛椅子に疲れはてて横にならんばかりに坐っている一人の女の衣服に、絹のつやのよう....
審判」より 著者:カフカフランツ
った。 しかし予審判事はそんなことはいっこうおかまいなしで、いかにもゆったりと肘掛椅子にすわり、背後の男に何か終りの言葉を言うと、彼の机の上にある唯一の品物で....