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肘掛椅子
「肘掛椅子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
肘掛椅子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「深夜の市長」より 著者:海野十三
は衣服の上から露わに女の全裸身を感じた。そこは一台の円い卓子と二脚の壊れかかった
肘掛椅子とがあるっきりの、実にお粗末な小室だった。 「お前さんは、割合に尤もらし....
「蠅男」より 著者:海野十三
彼はその部屋を出て、北側にある洋間の扉を開いて躍りこんだ。しかしそこにも卓子や
肘掛椅子が静かに並んでいるだけで、別に糸子が隠れているような場所も見当らなかった....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
檀細工の丸型のテーブルが据えてあり、それを取り巻いて二脚の牀几と、深張りの一脚の
肘掛椅子と、そうしてこれも深張りの長い寝椅子とが置いてあったが、
肘掛椅子と寝椅子....
「黄金虫」より 著者:佐々木直次郎
た。私は外套《がいとう》を脱ぎすてると、ぱちぱち音をたてて燃えている丸太のそばへ
肘掛椅子《ひじかけいす》をひきよせて、この家の主人たちの帰ってくるのを気長に待っ....
「すり替え怪画」より 著者:海野十三
だろう」 伯爵は、一旦発見したものを打消しながら、その名画の向い側においてある
肘掛椅子のところまで歩いていって、くるっと廻れ右をして椅子に腰を下ろした。そして....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
、前庭に咲いている花壇の花で、仄かな芳香が馨って来る。長椅子、卓子《テーブル》、
肘掛椅子、暖炉、書棚、和蘭陀《オランダ》箪笥、いろいろの調度や器具の類が、整然と....
「見えざる敵」より 著者:海野十三
だって首領。あの楊博士と来た日にゃ……」 「うるさい。黙ってろ」 ウルスキーは
肘掛椅子からバネ人形のようにとびあがって、喫いかけの葉巻を力一杯|床にたたきつけ....
「怪塔王」より 著者:海野十三
動きません。 4 怪塔王は、塔の一番上の部屋の中に、どっしりと据えた
肘掛椅子にうずくまって、向こうを向いています。 「あっはっはっ。なにをしたって、....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
すかどうですか!」 綾子夫人は、新子の最後の言葉を聞くと、サッと顔色を変えて、
肘掛椅子から立ち上ると、 「では、どうぞご自由に。」と切口上だった。 新子が出....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
った。万国地図と海図との懸かった、一方の壁へ背を向けて、背革紫檀の古風で寛濶な、
肘掛椅子に腰をかけ、嘉右衛門はバラードを弾いている。六十歳ぐらいの年齢でもあろう....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
花の香が窓を通して室の中いっぱいに拡がっていた。その室でレザールとダンチョンとは
肘掛椅子に腰かけたまま軽い朝飯をしたためた後、おりから配達された新聞をこうして読....
「決闘」より 著者:神西清
す様子に、さては気に入ったかと安心が行くのであろう、ほっと息をついて深ぶかとした
肘掛椅子に腰を下ろす。すると顔つきまでがぐったりして、とろんとした眼つきになる。....
「城」より 著者:カフカフランツ
内庭からくるのだろうが、青白い雪明りが射しこんできて、部屋の隅の奥深くの背の高い
肘掛椅子に疲れはてて横にならんばかりに坐っている一人の女の衣服に、絹のつやのよう....
「審判」より 著者:カフカフランツ
った。 しかし予審判事はそんなことはいっこうおかまいなしで、いかにもゆったりと
肘掛椅子にすわり、背後の男に何か終りの言葉を言うと、彼の机の上にある唯一の品物で....
「妻」より 著者:神西清
は客間のソファに掛けて、またお茶を飲みながらもぐもぐ言っていた。妻はその向いに、
肘掛椅子の背に手をかけて立っている。彼女の顔には、人がよく白痴を装う行者や神憑り....