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肘枕
「肘枕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
肘枕の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「狐の手帳」より 著者:田中貢太郎
その後で老婆はお滝の体の工合を聞こうと思って室の中へ入った。室の中ではお滝が
肘枕をして仮睡をしていた。老婆は吃驚させないように小さな声で云った。 「もし、も....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
た」 今まで、尺八を構えた姿勢で坐って聞いていた竜之助が、ごろりと横になって、
肘枕《ひじまくら》にあちらを向いたのはその時のことです。 話題をさまたげる何物....
「雪霊記事」より 著者:泉鏡花
頃まで、用もないのに、女中たちの蔭で怪む気勢のするのが思い取られるまで、腕組が、
肘枕で、やがて夜具を引被ってまで且つ思い、且つ悩み、幾度か逡巡した最後に、旅館を....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
きていたが、そこに置かれてある一基の燭台の橙黄色の燈火に照らされ、端坐をしたり、
肘枕をしたり、横になったり、胡坐をかいたりして、武士にあるまじい自堕落な態度で、....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
落《じだらく》に身体を投げだし、ゴロリと板敷のうえに寝ころがると、いつものように
肘枕をつき、 「ふふん、これで、どうやら眼鼻がついた」 と、つぶやいた。 い....
「地上」より 著者:島田清次郎
イやドストエフスキイや――」 「日本では誰が豪いのかな」平一郎はごろり横になって
肘枕をして心の中で「誰がいるものか」と思いながら尋ねた。 「×××××――」平一....
「山の湯の旅」より 著者:上村松園
速薄綿のはいったドテラを借りまして、まず、座敷のまん中にごろりと横になり、そして
肘枕です。山の中の一軒宿ですから、一向気がおけないのでした。 横になっています....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
屋へ上がり込んで周馬の戻りを待っていたところが、たいそう草双紙が積んであるから、
肘枕をして読んでいると、窓の外からお前さんの見当違い……まったく妙な所で会いまし....