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肛
「肛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
肛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奈々子」より 著者:伊藤左千夫
みた後、瞳を見、眼瞼《まぶた》を見、それから形ばかりに人工呼吸を試み注射をした。
肛門を見て、死後三十分くらいを経過しているという。この一語は診察の終わりであった....
「癩」より 著者:島木健作
動車の中で命をおとすのである。――牢死人の死体は荷物のように扱われ、鼻や、口や、
肛門《こうもん》やには綿がつめられ、箱に入れられて町の病院に運ばれ、そこで解剖さ....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
とひとしく横にころがってしまう。消毒の係りはただちに疵口をふさぎ、そのほか口鼻|
肛門等いっさい体液の漏泄を防ぐ手数をとる。三人の牧夫はつぎつぎ引き出して適当の位....
「柿色の紙風船」より 著者:海野十三
のよ、痔が悪いんでしょ。それでラジウムで灼いているんですわ。判るでしょう。つまり
肛門にラジウムを差し込んであるんだから、ご不浄へは行っちゃいけないのよ」 「治療....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
ロにくずれそうだった。臍の窪みには、垢とゴミが一杯につまって、臍は見えなかった。
肛門の周りには、糞がすっかり乾いて、粘土のようにこびりついていた。 「カムサツカ....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
りした。 もちろんそれはその晩が初めての苦しみでもなかった。もう幾日も前から、
肛門の痛みは気にしていたし、熱も少しは出ていたのであったが、見たところにわかに痔....
「放浪の宿」より 著者:里村欣三
板の上に掻き出された。そして大腸をたぐって、その最後の部分に刃がはいると、見事に
肛門から切断されて、一抱えほどの臓腑が、ずるずると濡板を辷って、血を絞り捨てた同....
「鷲」より 著者:田中貢太郎
をとって血みどろになっている。そのしばてんの一種のえんこうは水に泳いでいる子供の
肛門をぬいた。 生霊がとり憑き、犬神がとり憑き、道を歩いていると七人|御先が来....
「明治三十二年頃」より 著者:寺田寅彦
けた。 やはりその頃であったと思うが、子規が熟柿を写生した絵を虚子が見て「馬の
肛門かと思った」と云った。それを子規がひどく面白がって「しかし本当にそう思ったん....
「高浜さんと私」より 著者:寺田寅彦
の写生画を見せてもらっているうちに熟柿を描いたのがあった。それに、虚子|曰く馬の
肛門のようだ、という意味の言葉がかいてあった。私が笑ったら、子規は、いや本当にそ....
「重兵衛さんの一家」より 著者:寺田寅彦
ると、夕涼みに江ノ口川の橋の欄干に腰をかけているとこの怪物が水中から手を延ばして
肛門を抜きに来る。そこで腰に鉄鍋を当てて待構えていて、腰に触る怪物の手首をつかま....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
、わたしは訊いた。 「まさにそうだ。僕も毎々経験したことがあるが、蛔虫という奴は
肛門から出るばかりじゃない、喉の方からも出ることがある。僕も叔母の家へ遊びに行っ....
「子供の霊」より 著者:岡崎雪声
るが、その頃に其頃の主人夫婦の間に、男の子が生れた。すると奇妙なことに、その子に
肛門がないので、それが為め、生れて三日目の朝、遂に死んでしまった。やがて親戚や近....
「澪標」より 著者:外村繁
。前に小布を当てただけの、全裸に近い恰好で全身を検査される。性器の検査の次ぎは、
肛門の検査である。床板の上に、手足を置く位置が示されている。それに従って、甚しく....
「猪の味」より 著者:北大路魯山人
たら、「申し上げぬほうがいいでしょう」と笑っていた。なおも問いただすと、「これは
肛門の周りの肉です」ということであった。 見てくれは悪いが、その味はすばらしく....