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肝入
「肝入〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
肝入の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
で、はい、黒門へ案内しただ。仁右衛門も知っての通り――今日はまた――内の婆々殿が
肝入で、坊様を泊めたでの、……御本家からこうやって夜具を背負って、私が出向くのは....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
ありませんか。 口惜いのは、お嬢さんに団扇で煽がせた時がと言うと、あの鴨川めが
肝入で、山河内の娘に見合をさせるのに、先生を呼んだ日だと謂いますわ。敵だもの、お....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
れた顔して、娘の方に目を遣って、 「貴女に道を尋ねました、あの日も、実は、そのお
肝入り下さるお邸へ、打合せ申したい事があって罷出る処でござったよ。 時に、後月....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
そうして、朧気に迫ってくる恐怖に、ひしと悶えて日を送るうちに、いよいよ法水の
肝入りで、一座の東都初登場となった。 その乗り込みの前夜、はからずも事件の神秘....
「雨」より 著者:織田作之助
その年、軽部は五円昇給された。 その年の秋、二つ井戸天牛書店の二階広間で、校長
肝入りの豊沢広昇連中素人浄瑠璃大会がひらかれ、聴衆百八十名、盛会であったが、軽部....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
にするんだ――。」 「まアまア考えたもんだね。――んだら、わざわざ管理人さん達の
肝入で出来た処女会はどうなるの?」 健は後向きになって、急に大きな声を出した。....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
その文学又は文学運動となって現われる。文部省の知らない間に、時の警保局長の個人的
肝入りで話し合いになった例の帝国文芸院(後に文芸懇話会)や、その第二流陣などは、....
「ものの影」より 著者:豊島与志雄
どういうことが起るか分らなかった。不安な空気が漂っていた。それで、警官や有力者の
肝入りで、葦の茂みのある土地の所有者と談合の上、葦はすっかり刈り取られることにな....
「遠藤(岩野)清子」より 著者:長谷川時雨
たちだった。平塚《ひらつか》らいてう、荒木郁子《あらきいくこ》という人たちが専ら
肝入《きもい》り役《やく》をつとめていた。死後、いつまでも、お墓がなかった遠藤|....
「マダム貞奴」より 著者:長谷川時雨
へも出入《でいり》するようになり、伊藤公にも公然許されて相愛の仲となり、金子男の
肝入りで夫妻となるように纏《まとま》った仲である。それ故、そうことがもつれてむず....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
かなか呑気《のんき》で久しぶりに愉快だったし、つるさん夫妻もうれしかったようで、
肝入役は一安心です。五時半と云うきめだったのに六時半になっても来ず。「きょうは手....
「今日の日本の文化問題」より 著者:宮本百合子
四七年に入ってから民主的な学術研究組織を持つための運動が起り文部省科学教育局長の
肝入りで「学術研究体制世話人会」がつくられた。世話人会は理、工、医、農、法、文、....