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「肝心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

肝心の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
っ赤《か》ですの。『諸君』とかなんとかいって大手を振り立ててしゃべっているのを、肝心《かんじん》の禁酒会員たちはあっけに取られて、黙ったまま引きさがって見ている....
星座」より 著者:有島武郎
海道というような処に赴任《ふにん》させられたのが不満であるらしく、ややともすると肝心な授業を捨てておいて、旧藩主の奥御殿に起ったという怪談めいた話などをして、学....
婦系図」より 著者:泉鏡花
様子が、一本引抜きそうに見えたので、 「河野!」 「ええ、」 「それから。おい、肝心な処だ。フム、」 乗って出たのに引込まれて、ト居直って、 「あの砂埃の中を....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
に対しても極めて強力に決戦戦争を強制した。ソ連に対しては開戦当初の大奇襲によって肝心の緒戦に大成功を収めながら、そう簡単には行かない状況にある。またナポレオンも....
七宝の柱」より 著者:泉鏡花
香のものがついて、御飯をわざわざ炊いてくれた。 これで、勘定が――道中記には肝心な処だ――二円八十銭……二人分です。 「帳場の、おかみさんに礼を言って下さい....
半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
多比の奥へ引込んだ、がけの処です。」 「ああ、竜が、爪で珠をつかんでいようという肝心の処だ。……成程。」 「引返しましょうよ。」 「車はかわります。」 途中で....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
へいらっしゃる玄関前で、紫雲英の草を潜る兎を見たとおっしゃいました、」 「いや、肝心のお話の中へ、お交ぜ下すっては困ります。そうは見えましたものの、まさかかよう....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
。 「ちょっと、お待ち。」 「何、」と襖に手を掛ける。 「でも、少し気になるよ、肝心、焦れ死をされた、法学士の方は、別に聞いた沙汰なしかい。」 「先方でもね、お....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
る。知己になってこの話を聞いた場所と、そのいきさつをちょっと申陳べる。けれども、肝心な雪女郎と山姫が長襦袢で顕れたようなお話で、少くとも御覧の方はさきをお急ぎ下....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
勢が可うがした。」 と投首しつつ、また吐息。じっと灯を瞻ったが、 「ところで、肝心のその燃えさしの蝋燭の事でございます。 嘘か、真かは分りません。かねて、牛....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
――たといそれが、実家と言う時、魔の魂が入替るとは言え――半ば狂人であるものを、肝心火の元の用心は何とする。……炭団、埋火、榾、柴を焚いて煙は揚げずとも、大切な....
縁結び」より 著者:泉鏡花
謙造は目を瞑って腕組したが、おお、と小さく膝を叩いて、 「余りの事のお気の毒さ。肝心の事を忘れました。あなた、あなた、」 と二声に、引起された涙の顔。 「こっ....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
びくとも動かないでいる。……と言うのであった。 ――これを云った謙斎は、しかし肝心な事を言いわすれた、あとで分ったが、誘うにも、同行を促すにも、なかまがこもご....
清心庵」より 著者:泉鏡花
をあけることはなりませぬぞ。) と、そういっておあるきなすッたそうさね、そして肝心のお邸を、一番あとまわしだろうじゃあないかえ、これも酷いわね。」 ....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
問を、お通しなすって、いまでは博士で、どこのか大学の校長さんでいなさるそうです。肝心の、近常さんの伜ですがね。」 「伜……成程。」 「それは、から、のらくらして....