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「肝胆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

肝胆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
よりその時も御枕もとには、法師、医師、陰陽師《おんみょうじ》などが、皆それぞれに肝胆《かんたん》を砕いて、必死の力を尽しましたが、御熱は益《ますます》烈しくなっ....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
片に※目《とうもく》せし乗り合いよ、君らをして今夜天神橋上の壮語を聞かしめなば、肝胆たちまち破れて、血は耳に迸出《ほとばし》らん。花顔柳腰の人、そもそもなんじは....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
う通り、彼女が果たして魔性の者であるならば、日本一というお師匠さまが七十日の間も肝胆を砕いた必死の祈祷に、その正体をあらわさぬということはあるまい。彼女は恐るる....
恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
によって得度《とくど》して、了海《りょうかい》と法名を呼ばれ、ひたすら仏道修行に肝胆を砕いたが、道心勇猛のために、わずか半年に足らぬ修行に、行業《ぎょうごう》は....
船医の立場」より 著者:菊池寛
日まで、保土ヶ谷に宿を取って、神奈川に停泊しているアメリカ船に近づこうとして昼夜肝胆を砕いた。 最初、船頭を賺《すか》して、夜中|潜《ひそ》かに黒船に乗り込も....
藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
女の如く)さようでござりますとも、こんどの狂言には、さすがの近松様も、三日三晩、肝胆を砕かれたとのことじゃ。ほんに、仇やおろそかには思われぬわいのう。 弥五七 ....
電気看板の神経」より 著者:海野十三
われた。今のところ、岡安も春ちゃんのことは、夢のように忘れちまったらしく、鈴江と肝胆相照している様子は、側から見ていて此のような社会の出来ごととしても余り気持の....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
無限の思いに、畏敬の念をおこさない者があろう。傑作はすべて、いかにも親しみあり、肝胆相照らしているではないか。これにひきかえ、現代の平凡な作品はいかにも冷ややか....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
に違いない。殊にその犯人が一筋縄で行かない曲者で、手を替え品を替え辛苦数日、昼夜肝胆を砕いて訊問した末、漸く自白せしめる事が出来たのであるから、彼は心中勇躍して....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
でやってから真の朋友《ほうゆう》になるのもあるが、一見して交《まじわり》を結んで肝胆相照らすのもある。政宗と秀吉とは何様《どう》だったろう。双方共に立派な男だ、....
風流仏」より 著者:幸田露伴
上 既に仏体を作りて未得安心 勇猛精進潔斎怠らず、南無帰命頂礼と真心を凝し肝胆を砕きて三拝|一鑿九拝一刀、刻み出せし木像あり難や三十二|相円満の当体即仏、....
藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
きったままであった。彼は今心の裡で、僅か三日の後に迫った初日を控えて、芸の苦心に肝胆を砕いていたのである。彼に取って、其処に可なり危険な試金石が横わっている。『....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
名との縁談がなめらかに進行しないのは判り切っているので、彼はこの間からいろいろに肝胆を砕いた末にきょうはいよいよ二人の秘密を師冬の前に暴露したのであった。 「成....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
ぶりで訪問して旧情を煖めかたがた志望を打明けて相談したところが、一夕の歓談が忽ち肝胆相照らして終に川島の配下に学堂の提調に就任する事となった。 川島浪速の名は....
性に関するアイヌの習俗」より 著者:河野広道
もっとものことなれば、償を出すべし。さりながら、我は公命によりて郷里の妻子を捨て肝胆をくだし此処に来るものは、畢竟我等救命の故あり。然るに汝等我に陰門を見せ、す....