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「股立〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

股立の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
とどける者がなかった。 そのうちに尾州家から侍が二、三人出て来た。かれらは袴の股立ちを取って、この泥ぶかい岸に降り立って、疑問の帯をずるずると手繰りあげたが、....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
、火は鳥よりも迅く飛んだ。 人畜の死傷少からず。 火事の最中、雑所先生、袴の股立を、高く取ったは効々しいが、羽織も着ず……布子の片袖｜引断れたなりで、足袋跣....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
は勿論すくない、みな草履であったが、強い雨や雪の日には、尻を端折り、あるいは袴の股立ちを取って、はだしで通学する者も随分あった。学校でもそれを咎めなかった。 ....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
金蔵の金を奪おうと、お城へ入り込んでございますぞ！」 足踏の音、襖を開ける音、股立をとり襷がけ、おっ取り刀の数十人の武士が、今度こそムラムラと現れた。 「雲切....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
フフ。策はあるものじゃ。待たれよ！ 待たれよ！ お待ち召されよ！」 ねじ鉢巻に股立ちとって、手馴れの短槍小脇にしながら気色ばんで駈け出そうとした、老神主を鋭ぐ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
。この方から逆寄せして、別宅のその産屋へ、守刀を真先に露払いで乗込めさ、と古袴の股立ちを取って、突立上りますのに勢づいて、お産婦を褥のまま、四隅と両方、六人の手....
「妖婆」より 著者:岡本綺堂
川房之丞の父の房八郎と、その弟子の矢上鉄之助であった。二人ともに合羽をきて、袴の股立ちを取って、草鞋をはいていた。房八郎は去年から伜に番入りをさせて、自分は隠居....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
む、澄江殿の介抱！ ……」 「合点、ようがす、貴郎は早く……」 「うむ」と云うと股立取り上げ、大小の鍔際束に掴み、大薮のある方角とは、筋違いの方角高萩村の方へ、....
「異妖編」より 著者:岡本綺堂
あった。とても一と通りのことでは歩かれないと覚悟して、伊四郎は足袋をぬいで、袴の股立ちを高く取って、素足になった。傘などは所詮なんの役にもたたないので、彼は手拭....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
い編笠をかぶって、白柄の大小を横たえて、この頃｜流行る伊達羽織を腰に巻いて、袴の股立ちを高く取っていた。そのあとには鎌髭のいかめしい鬼奴が二人、山王の大華表と背....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
、上は紋つき薄色一重、のぞき浅黄のぶッ裂羽織、胸は覚悟の打紐ぞとよ、しゃんと袴の股立とりて……大小すっきり落しにさして…… ――飛んでもない、いや、串戯じゃな....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
から、頬被をした、おかしな首をぬっと出して、ずかずかと入った男があるんです。袴の股立を取っている。やあ、盗賊――と近常さんが、さがんなさると、台所から、お媼さん....
「明治劇談　ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
ということや、「忠臣蔵」三段目の裏門外へ駈け付ける家橘の勘平が、御前を憚って袴の股立ちを取らなかったので、何だかやりにくそうに見えたということや、「寺子屋」の小....
「三崎町の原」より 著者:岡本綺堂
は午前二時頃に起きて、ゆうべの残りの冷飯を食って、腰弁当をたずさえて、小倉の袴の股立を取って、朴歯の下駄をはいて、本郷までゆく途中、どうしてもかの三崎町の原を通....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
いた消息を洩らしたのであろう。 二葉亭は何をするにも真剣勝負であった。襷鉢巻に股立取って、満身に力瘤を入れつつ起上って、右からも左からも打込む隙がない身構えを....