»
肢
「肢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
肢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
見るように思った。頭の中がシーンと冷え通って冴《さ》えきった寒さがぞくぞくと四|
肢《し》を震わした。
その時宿直室の掛け時計が遠くのほうで一時を打った。
も....
「星座」より 著者:有島武郎
白毛にて黒斑《こくはん》、惶々乎《こうこうこ》とし屋壁に踞跼《きょきょく》し、四
肢を側立て、眼を我に挙げ、耳と尾とを動かして訴えてやまず。その哀々《あいあい》の....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
かすみ》が池《いけ》の汀《みぎわ》に、生死も分かず仆《たお》れたる婦人あり。四|
肢《し》を弛《ゆる》めて地《つち》に領伏《ひれふ》し、身動きもせでしばらく横たわ....
「宇宙女囚第一号」より 著者:海野十三
かしそれは絶対に人間ではない!) 絶対に人間ではありえないのだ。 なるほど四
肢は豊満に発達し、皮膚の色はぬけるほど白く、乳房はゴムまりのようにもりあがり、金....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
ついて血を見たにも等しいものか、ここに始めて精神の興奮絶頂に達し猛然たる勇気は四
肢の節々に振動した。二頭の乳牛を両腕の下に引据え、奔流を蹴破って目的地に進んだ。....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
われた。胸の皮膚は擽られ、肉はしまり、血は心臓から早く強く押出された。胸から下の
肢体は感触を失ったかと思うほどこわばって、その存在を思う事にすら、消え入るばかり....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
の周囲には水を巡らしぬ。 かく神が物質を分ちしとき―― そは誰なりしか――これに
肢節を作り始めぬ。 これが均衡を得るためにまず 地を球形(注三)として空中に浮べ....
「階段」より 著者:海野十三
僕の身体には飢えた「彼奴」が跳梁することが感ぜられ、それとともに、あの若き婦人の
肢体が網膜の奥に灼きつけられたようにいつまでも消えなかった。 2 翌....
「海底大陸」より 著者:海野十三
ちがった形体をもっているのであろうか。われわれとちがって、むしろ軟体動物にちかい
肢体をもっているのはなぜか」 海底超人の軟体については、かれら生物学者は、一刻....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
離れると、何かを掴もうとするように手足をやけにばたばたさせるが、しばらく経つと四
肢をぴんと張って、奴凧のような恰好になり、それから先は板のように硬直して空間をし....
「橋」より 著者:池谷信三郎
人があちこちと、虫のように蠢いていた。裂かれた裾の下にはっきりと意識される彼女の
肢の曲線を、溶けてしまうように固く腕に抱きしめながら、彼は夢中で人混みの中へ飛び....
「余裕のことなど」より 著者:伊丹万作
に難くない。首を反つくりかえらして口には雪のような泡を噛み、怒つた蟷螂のように前
肢を挙げ、必死になつて轡にぶら下る雑兵四、五人を引きずるようにして出て来た。 ....
「米」より 著者:犬田卯
などろんこの眼をして、もはや痛みを訴える力もなく、うつらうつらと、高熱の中に、四
肢をぴくつかせていた。腹部を見ると、まるで死んだ蛙のようにぷくらんと膨れ上り、指....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
たように敷いてあった。 俗に言伝える。天狗、狗賓が棲む、巨樹、大木は、その幹の
肢、枝の交叉の一所、氈を伸べ、床を磨いたごとく、清く滑かである。――禁を犯して採....
「妖怪学」より 著者:井上円了
な人の知るところなり。例えば、暴食過飲して腸胃の上に病患を起こし、過度労役して四
肢の上に傷害をきたすがごときは、いわゆる身部より生ずる病なり。しかして、その心に....